農園便り
一昨年、うちの目の前の3エーカーの土地を買い、畑の規模を2エーカーから5エーカー(約6,100坪)に拡大した。2,100本の苗木を植えたが、昨年7月の台風接近で、200本も倒れて大変苦労した。実は今年も強風で50本が倒れた。新しい畑は災難続きだ。
土地取得に際しての、私の不動産屋は先月号にも登場したモーリス・キムラさん。NYからコナに引越してきて、右も左も分からない我々を、何かと面倒見てくれた。日系3世で86歳。コナの高校の校長を長年勤め、引退後は友人の不動産会社を手伝っている。人格者として知られ、コナのリーダーとして活躍した地元の名士だ。
さて、2008年にハワイに引っ越して、眼下に海を眺望するこの家を気に入り購入した。たまたま、コーヒー畑が付いていて、コーヒーを育て始めた。とても楽しいので、次第に、農地を買い足すことを考え始めた。
4年前、手ごろな農地が売りに出たのをウェブで見つけ、不動産屋のモーリスを訪ねた。畑を買い足したいと言うと、モーリスは子供の頃コーヒー畑で苦労した話を延々と語った。「せっかくリタイアして、今まで上手くやってきたのに、今さら、そんな苦労を背負い込んで人生を無駄にすることはない。規模拡大は止めなさい」と諭した。
彼の祖父は19世紀末に移民してきて、コーヒーで成功した。70エーカーの農園を経営し、モーリスも子供の頃からコーヒー畑で働いた。明治の移民には、自分のコーヒー畑を持つのは夢のような話だったが、3世ともなるとアメリカ国籍だし、英語は流暢に話せる。モーリス世代にとって、コーヒーは、むしろ、貧困の象徴。彼ら3世たちは、そこから抜け出す為に、大学へ行き、社会進出を果たした。モーリスには、いまさら、コーヒーに熱中し、さらに規模を拡大したいという私の希望は、無謀な試みに映るようだ。結局、売り手につないでもらえず、私は購入を断念した。
半年後、他の農地が売りに出た。彼のオフィスを訪ねると、「まあ、そこへ座りなさい」と、前回と同じ苦労話を1時間たっぷりと聞く羽目になった。半年前にしたお説教は覚えていないが、若い頃の辛い経験は、はっきり覚えているらしい。その後も、2度、物件を持ち込み、計4回も同じ苦労話を聞いた。客の私が買いたいと言っているのに、買わせてくれない不思議な不動産屋。客の為にならないと思うと、てこでも動かない人格者。さすがは日系人社会のリーダーだ。
一昨年、うちの目の前の3エーカーの空き地が売りに出たのをウェブで発見。モーリスに連絡を取って驚いた。実は、売り手の不動産屋が、私が農地を探しているのを知っていて、その物件を売りに出す前に、私の代理人のモーリスへ打診があったらしい。もちろん、即、断ったそうだ。それはないでしょう。一言ぐらい私に連絡してよ。
そこで一計。標高600メートルの私の家は海が180度見渡せていい眺め。夕日が美しい。しかし、目の前の空き地を他人が買って家を建てたら、この景色が台無しになる。これをモーリスに訴えた。すると、「景色を守るためならば良いだろう。今の家の価値もそれで上がり、不動産取引として正しい選択だろう」と、やっと念願のお許しが出た。
彼の気が変わらないうちに、大急ぎでその土地の取得手続きを済ませた。間髪をいれず、彼には内緒で、土地の端から端まで、びっしりと2,100本以上もコーヒーの苗木を植えてしまった。途中でバレて、「へへへへへ~~」とごまかしたけど。
でも、畑は災難続き。やっぱり彼の言うとおり苦労は絶えないなぁ。
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2014/07/01
yamagishicoffee
5月に日本へ行った。目的の一つはポール・マッカートニーのコンサート。しかし、彼の体調不良で中止となった。当日、会場の国立競技場の回りは唖然とする中高年でごった返した。わざわざ北海道や九州から来たという声の中、ハワイは一番遠かった。
コナに住むとドタキャンや遅刻には慣れてくる。そんなことでいちいち目くじらを立てては暮らせない。農園で人を雇っても、約束の日時に来ないことは日常茶飯事。様々な言い訳があるが、本人あるいは家族の体調が悪いというのが多い。マッカートニーの体長は心配になるが、彼らの場合は、毎度、度重なると、ずいぶん病弱なご家族ですねと心の中でつぶやいてしまう。しかし、怒ってはいけない。来ないばかりか、何の連絡も無いこともある。携帯電話を畑に失くしたそうだ。あなた、それは今年5回目でしょうと突っ込みたくなるが、それを言っては負けだ。
朝起きたら雨が降っていたからというのも多い。こっちは快晴なのに現れない。コナのコーヒーベルトは標高200m~800mに縦3km、横35kmの帯状の狭い地域で、その中でも天候は随分異なる。ある地域が土砂降りでも、他の地域では快晴ということがよくある。いわゆる、マイクロクライメットというものだ。だから、電話をかけて、こっちは晴れていると説得をしなければならない。しかし、一度、お休みモードになった人を、仕事モードに戻すのは、割と苦労する。
コナの時間はゆっくり流れる。NYや東京のように秒単位で物事が進んでいない。このコーヒー農園付きの家を買った際にお世話になった不動産屋はモーリス・キムラ氏。日系3世で86歳。コナの高校の校長を長年勤め、引退後は友人の不動産会社を手伝っている。私の尊敬する紳士だ。
彼の案内でこの家を見に来た際に、一目で気に入った。帰りに、購入に向けての質問事項をまとめ、彼に調査を頼んだ。帰宅後、妻と「もしモーリスさんが今日中に調査結果を持ってきたら、ちょっとガッカリだね」と語りあった。コナに来て半年が経ち、時間のゆったり流れる生活に馴染んできた頃だ。NYや東京の不動産屋なら、夜中だろうが何だろうが、その日のうちに電子メールで返答が来るだろう。そういう、せわしなさが嫌でコナに引越したのだ。ここ2~3日はのんびり構えたい局面。
果たして一週間経っても音沙汰が無い。段々焦れてきた。なにせ、私の人生で最も高額の買い物。人生の重大事だ。だが、ここで焦ってはコナの仲間とはいえない。修行と思い我慢。10日後に、ゴルフ会で同組になった。彼はひたすらゴルフを楽しんでいた。完全に忘れているなと思い、催促しようとしたら、帰り際に、「例の件だけど」とやっと答えを貰った。のんびりしたハワイ生活の真髄を見た瞬間だ。
ハワイに来たばかりの頃は、引越、電話、電気、水道などの業者が、約束の日に来なかったり、大幅に遅れてくるので、いらだった。忙しいNYからハワイに来たのだから、そういう時間の流れ方を楽しんだ方が良い。一日一つ用事が済めば、それはよい日だ。
こんな田舎のハワイにはマッカートニーは来ないだろう。たぶん、一生、彼を見られない。ビーチ・ボーイズなら1月にホノルルに来た。 “Two girls for every boy…”(Surf Cityの一節)と彼らが歌うと、観客席のおばあちゃんたちが総立ちになり、歌に合わせて2本の指を突き上げたのには感動した。しかし、若いビーチボーイが女の子2人をはべらすなら、様になるが、70歳を過ぎてもそれじゃあ、ただのエロジジイだろう。そこへいくと、マッカートニーは年代を超えて普遍だ。”All you need is love♪…” 何年経っても名曲だなぁ。あっ、これはジョンか。
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2014/06/02
yamagishicoffee
消費税が上がった。海外から見ると、日本の財政規律の欠如、無節操さには呆れる。たった3%の増税では、焼け石に水なのは誰もが知っているのに大騒ぎ。それに比べて、私のNY時代は随分税金を払った。所得税は国と州合計で48%。消費税は昔から8.875%。その上、郊外の家の固定資産税は年間約250万円。その大部分が地元の公立小中高校の教育費用に充てられる。健康保険料は年間300万円を半額負担。退職後は全額自己負担。健康保険料の安いハワイに引越してからでも年間72万円払っている。長生しようと思うと金がかかるのだ。さらに、昨年の水道代は年50万円。私のような水飲百姓でも金がかかる。かくも公共サービスは金のかかるもので、日本のように、サービスに金は払わない、税金は払わないでは、国民の借金は膨らむばかり。後の世代がかわいそうだ。
実は3%という数字はコーヒー生産者にとっても、ちょっとした意味がある。コーヒーの生豆の適切な水分量はコナでは、州法により9% ~ 12.2%とされている。つまり、約3%の許容範囲がある。おそらく他の産地でも似たような基準があると思う。
コーヒーの実は、収穫するとその夜に皮と果肉を取り除き、パーチメントの状態にする。これを乾燥させる。天日で9% ~ 12.2%に乾燥するには1~2週間程度かかる。乾燥の終盤には注意を要する。カンカン照りの日など、つい忘れて、半日も放っておくと、9%を下回ってしまう。うっかりゴルフにも行けない。
乾燥具合は専用の機械で測る。穀物用の計測器で優れものだ。ほとんど誤差が無い。しかし、日々の作業では、いちいち機械で測るのは面倒なので、感覚で大体の水準を把握することもある。たとえば、生豆を噛んだ感触で測る。噛んで豆がグニャと押しつぶされてしまうと、水分が多すぎ。パリッと割れてしまうと乾きすぎだ。ちょうど良い力加減で豆が噛み切れるとよい。また、パーチメント一握分を両手に挟んで、すばやくこすり合わせると、堅皮がパリパリと弾けるように割れる。その手触りで判断する人もいる。中には手のひらに載せただけで、水分量が分かる人がいる。確かに、冷たいと分からないが、生温かい状態で手のひらに載せると、なんとなく手のひらに水分が感じられる。これで分かると言うのだからすごい職人芸だ。社長が来ると急にニコニコと揉み手を始める部長さんの手と同じくらい年季の入った職人の手だ。
3%の範囲内に収めることは品質管理のうえで重要たが、一方、この3%は経営上の意味もある。同じ100ポンドの生豆でも、水分量12%の方が9%の生豆より、3%だけ豆が節約できる。文字通り水増しだ。だから、業者によっては上限の12.2%に近づけようとする。3%は侮れない。生豆が3%節約できれば、利益率が3%も改善する。日本では消費税が3%上がるだけで3月中にトイレットペーパーを買いだめしたり、4月以降の消費への影響が心配されたりの騒ぎだ。単に小売価格が3%上がるだけの話である。しかし、利益率が3%も違うとなると、生産者にとっては経営上の大問題だ。
私の農園では許容範囲の真ん中の10.5%を目標にしている。生豆は100ポンド入りのずた袋に入れ、さらにそれを気密性のビニール袋に入れ飛行機で日本に送るので、緑色のきれいな生豆が新鮮なまま届く。しかし、多くの産地では、熱帯の港の倉庫に留め置かれ、さらに船で海の上を長い時間かけて日本に行く。もちろん、気密性の袋には詰めない。熱で豆が痛んだり、水分量だってどう変化するか分からない。産地で上限ギリギリの水分量だったものが、途中で水分を吸って、カビが生えることだってある。そういう意味では上限ギリギリにしたい生産者の“経営努力”があだとなる場合もある。
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2014/05/01
yamagishicoffee
「桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の木の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」梶井基次郎はこの短編小説のなかで、醜(死)と対比させることで、美(生)を鮮烈に描写している。私も若い頃、夜桜見物に行って、公園の明かりの下に満開の桜を見た時に、本当にそんな怪しい気がした。
コナのコーヒーも今が花の季節。白い花が満開に咲くと、コーヒー畑全体が白く見える。まるで雪が降ったようで、これをコナスノーと呼ぶ。桜に負けず美しい。ハワイにはソメイヨシノはないので、昔の日系移民は、コーヒーの花で花見をしたそうだ。
よく人から、農作物を育てると、心が癒されるでしょうと問われる。確かにそうだ。しかし、よく考えると、農業は殺りくの繰り返し。選ばれた物だけが育てられ、選ばれなかったものは排除される。私の畑ではコーヒーの木と下草の芝生が選ばれし植物で、それ以外は雑草とみなされ皆殺しだ。哀れ雑草たちは自分を雑草とは思っていないだろうが、お構いなし。芝刈り機トラクターでガンガン刈る。刈られた雑草の死骸はやがて腐敗し栄養素に分解され、コーヒーの木の根がそれを吸い取る。そうやってコーヒーが順調に育っていくのを見ると、心が癒されるという構図だ。罪なものだ。
4年前にCBB(Coffee Berry Borer)という害虫がコナに上陸した。中南米ではブロカとも呼ばれ、コーヒーの大敵だ。世界中のコーヒー産地に存在し、地理的に隔絶されたハワイにはいなかったのだが、ついに来た。コーヒーの実に50-100個の卵を産み、実の中で成虫し、5週間で世代交代する。5週間で50倍と仮定すると、10週間で2,500倍、6ヶ月間で3億倍の計算になる。何も対策を採らずにいると畑は全滅する。近年コナコーヒーが品薄になったのはこれが原因。コナではBeauveria Bassianaというカビの胞子を散布する。これは自然界に普通に存在する白カビの一種で、昆虫類に取り付き昆虫を殺す。コナの農家は皆このカビをまいて害虫と戦っている。
私の畑はコナコーヒー農家700軒の中で、この害虫の被害率が最も少ない。その理由は、カビの散布以外にも、春から秋にかけて、5週間に1度の割合で、畑の中の全ての木の、全ての枝の、全ての実を見て虫食いの実を取り除くからだ。2エーカーの畑には1千万個以上の実があるので、根気と忍耐力を要する手作業。こんな事をするのはうちだけで、他の農家からはクレージー扱いだ。これまで何人か雇ってやらせてみたが、誰も二度と戻ってこない。私は子供の頃からクラブ活動で無意味なしごきに耐え、日本企業のサラリーマンという常軌を逸した忍耐力が求められる経験をかいくぐっているので、この作業がこなせるが、ハワイの普通の人にはなかなか難しい。
私はコナで一番まじめに害虫と戦っているわけだが、虫の側から見れば、とんでもない悪党だ。もし、この虫が進化し文明を持ったら、私は即、逮捕され、裁判で間違いなく死刑だ。実の中に卵を100個抱えた雌が50匹いたら、その実を一つ取っただけで5,000以上の命を奪っている。それを何千個も取る。いくらコーヒーを守る為とはいえ、妊婦の大量虐殺では虫の裁判官閣下や陪審員の心証はすこぶる悪い。情状酌量の余地はない。
虫に気の毒なので、「虫の進入禁止」の張り紙を畑に掲げ、虫の自己責任を喚起したが効果はない。どうやら日本語が読めないようだ。次回は英語にしてみよう。
多くの生命の死を経て、あのなんとも美しい香味を持ったコーヒーが生まれる。これは信じていいことなんだよ。
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2014/04/01
yamagishicoffee
先月はコナの日系人が訛っていると書いた。本当に訛っている。うちの妻はバイリンガルで英語のネイティブだが、彼女でさえ、最初は彼らが何を言っているのか分からないことがあった。“How are you?”の代わりの“Picking coffee?”(コーヒーを摘んでいますか?)というコナ特有の挨拶にしても、2単語しかないのに訛っている。疑問文なのに語尾が下がるハワイ独特のイントネーション。映画評論家の小森和子の「モアベター(more better)」は、比較級の重複で文法的に誤りだが、ハワイでは、普通に使われている。ただし、日本人の英語と同様、語尾のRは発音しないのでMo Bettah(モーベタ)となる。
日本に行くと、ハワイからの観光客をたまに見かける。東京駅の雑踏で、すれ違っただけで、そのイントネーションからハワイの人だとすぐに判る。「ふるさとの訛りなつかし停車場の…」の石川啄木ではないが、ちょっと嬉しい。
かつて、私は純国内派の銀行員として日本で働いていた。27歳の時にMBA留学を命じられた。それまで海外旅行も経験なく、27歳で初めて飛行機に乗り、アメリカへ渡った。しかし、いかんせん勉強を始めたのが遅すぎて、英語は全く身に付かなかった。それでも、それ以来24年もアメリカに住み続けているのだから、いい加減なものだ。
テレビは日本語放送しか見ない。映画は、ほとんど会話が聞き取れないので、めったに行かない。例外的に、2011年のアカデミー賞を総なめにした「アーティスト」は無声映画なので見に行った。なるほどこれなら理解できたと満足して帰宅し、映画の感想を語っていると、妻が「主人公がフランス人だったからなんだね」と言った。「えっ?フランス人なの?」と私。実は、全編サイレントだが、ラストシーンで主人公が”With pleasure”(喜んで)と唯一、声を発する。それがフランス語訛りなので、観衆は「ああ、そうだったのか」と納得するという落ちらしい。台詞は全編通じて、この2単語しかないのに、映画の最も重要なトリックが理解できなかったのでひどくがっかりした。
そんな私でも、”Picking coffee?”は、たった2単語でも、すぐにハワイ訛りだと分かる。外国人のフランス語訛より際立っているから強烈だ。そんな人々と暮らすと、つい私もハワイ訛を真似してしゃべろうとするものだから、妻は大阪弁の変な外人みたいだから、やめてくれと文句を言う。ハワイ訛をマスターする道は遠い。
テレビで育った世代は標準英語を使い分けできるが、仲間内ではハワイ訛だ。ハワイ出身のオバマ大統領は演説の名手。しかし、彼もハワイで幼馴染と会うと、日本語に訳すと「ホワイドハウスはつがれるべな。ゴルフいぐべー」てな具合に話しているに違いない。会ったことないけど、そうだと思う。アグネスラムだってウォーリー与那嶺だって灰田勝彦だってみんな訛っていたに違いない。
さて、コナコーヒーといえば、クリーンですっきり、際立つ甘い酸味が特徴だ。飲んだときに、歯のエナメルがキュッキュッと音がするのではないかと思うくらい酸味が強い。これがコーヒーの世界でのコナ訛なのかもしれない。ところが、昨年の私の畑の豆は、例年に比べて酸味が少なく、その代わり甘みが非常に強かった。それはそれで美味しいのだが、やはり、コナ訛をマスターする道は遠いのか。
本当にコナは訛っているのだろうか。コナはティピカというコーヒーの原種に最も近い品種を守っている。栽培に手間の掛かるティピカは、他の産地では次々と姿を消し、味を犠牲にして、生産効率の良い品種改良種を栽培している。原種に一番近いコナがコーヒーの標準語で、世界中の他の産地が訛っているといえるかも知れない。確かにティピカのウォッシュトはコーヒーの香味の基本だ。
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2014/03/01
yamagishicoffee
中学校の英語の授業で、挨拶は“How are you?” “I am well, thank you”と習った。少し、くだけてアメリカ流に“I am fine”と答えても良いとも教わった。伝統的イギリス英語ではHow are you?は、相手の健康状態を尋ねているので、答えは、心身ともに具合はいい(I am well)となる。アメリカ流I am fineは少し的外れな感じがする。ところが、NYで暮らすと誰もそのような英語を使わない。“What’s up, Man?” “Nothing”などくだけた挨拶がまかり通っていて、I am wellなどと挨拶をしたのは私の部下のインド人ぐらいだ。
コナの日系の老人たちにも独特の挨拶がある。道で会うと秋から冬は“Picking coffee?”(コーヒー摘んでますか?)、春には”All pau?” (今年のコーヒー摘みは無事終わりましたか?Pauとはハワイ語で終わるの意)と、いかにもコーヒーの村ならではの挨拶。それも、すごいピジン英語訛りなので趣がある。訛っているなんてもんじゃない。海女のアキちゃんの「じぇじぇじぇ」以上だ。NHKにお願いして北三陸市と姉妹都市になりたいものだ。ちなみに冷たい海洋深層水で養殖するアワビはコナの名産品。母貝を三陸から持ち込んだ立派な蝦夷アワビ。
かつては日本人町だったコナも近年は観光地化し米国本土からの移住が増え、日系人はむしろ少数派になっている。“Picking coffee?”は父祖の代からのコーヒーをハワイ訛りで語ることで、地元の同胞意識を再確認する。しかし、これは良く考えると、老人同士がコーヒーを摘めるほど健康ですかということを訊いている訳で、まさに相手の健康具合の尋ねる正統派英語に沿った挨拶といえる。
コナの英語には多くの日本語が残っている。例えば、コーヒーをメリケン・コッペ(アメリカコーヒーという意味)という。そのほかにも、
Hoshidana(乾し棚) コーヒーを乾燥するデッキ
Kagi(鉤) コーヒーの枝を引っ掛けてたわませるフック
Mushiro(筵) コーヒーを乾燥するときに地面に敷くタープ(防水布)
Hinoshi(火熨斗) アイロン
Mochitsky(餅つき) ロシア人ではない Daikonzuri(大根おろし)をつけて食べる
Go shi shi トイレに用足しに行くこと
Taran 短い 足りない
Taran taran まぬけ(二つ重ねると知恵が足りないの意)
Kotton-kun(コットン君)という言葉がある。アメリカ本土に住む日系人を指す悪口。頭の中が空っぽだから、転んで頭を打つと、コットンと音がするらしい。かつて、コーヒー畑や砂糖きび畑で働いていたハワイの日系2世・3世は、真っ黒に日焼けし、すごく訛ってる。数をかぞえても、「One, Two, Tree」、thを発音しない。一方、カリフォルニアなど本土の日系人は色白で洗練された標準英語を話す。ハワイの日系人はずいぶん劣等感を感じたようだ。Kotton-kunという悪口はその劣等感の裏返しの対抗意識だと思う。
現在の若い世代の日系人は標準語もハワイ訛りも使い分けができる。あなたの英会話教室の先生がハワイ出身の日系人でも心配はいらない。たぶん。一方、日本的な考え方も受け継いでいる。彼らは、傾向として、礼儀正しく、忍耐力があり、思いやり深く、しかも質素倹約的だ。日本語を話せない若い世代でも、会話の中に、”Shikatanai”とか“Mottainai”などの単語が使われる。英語には対応する単語や概念がないので日本語の単語が使われるのだ。明治の移民の気質が世代を超えてこの地に保存され、もう日本ではすっかり忘れ去られたことが、ここに残されている。
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2014/02/01
yamagishicoffee
コナコーヒーの収穫時期は9月から2月にかけて。コーヒーの実は一度に全部熟すわけではないので、同じ枝に赤と緑の実が混在する。未熟の緑を避けて、赤い完熟した実だけを摘むことがおいしいコーヒーをつくるこつだ。緑が混じると味が濁る。だから丁寧に手摘みする。しかし、赤だけを摘むのは単純な様で非常に難しい。早く摘もうとするとなおさらだ。私と妻では、妻の方が赤い実だけを、しかも速く摘むことができる。ほかの農園主に尋ねても、断然に女性の方が上手に摘むという。なぜだろう?
かつてNHKの番組で、赤い色を見分ける能力は女性の方が高いと放送していた。それによると、人は色を赤、緑、青の3原色で認識している。そのうちの赤に関し、男性は朱色を最も鮮やかに認識する遺伝子を持った人(A)と深紅を最も鮮やかに認識する遺伝子を持った人(B)に分かれる。男性はその片方の遺伝子しかもてない。一方、女性はこの遺伝子を2つ持つ。つまり、可能な組み合わせは、AA(朱色のみ)、AB・BA(朱色と深紅の両方)、BB(深紅のみ)で、50%の女性がABかBAとなり、AとBの両方を持つ。彼女らは、朱色、深紅、緑、青の4つの色の組み合わせで色を認識している。つまり、男性よりカラフルな世界に住んでいて、特に赤に関する識別能力が高い。残りの半数の女性(AAとBBの人)は男性と同じ能力しかないが、成長する過程で、他の女性の影響を受け、後天的に色に関して敏感になるそうだ。
そういえば、赤と緑を識別できない色覚異常は圧倒的に男性に多い。多くの国や文化で、赤い服を着るのは女性。デパートの化粧品売り場に並ぶ口紅は、私にはどれも似たような色だが、女性には一本一本違った色に見えるらしい。そのNHK番組では、なぜ女性がそのような能力を進化の過程で獲得したかは明らかにしなかったが、私はコーヒー摘みを通して解明。大胆な新説を打ち立てるにいたった。
私の説では、何百万年もの間、コーヒー摘みは女性の仕事だった。人類もコーヒーも発祥の地は東アフリカ。人類とコーヒーは長い関係があるのだ。いや、これは少し大袈裟であった。それはコーヒーではないかもしれない。しかし、太古、果物を摘むのは主に女性の仕事だったはず。彼女らは、この実は食べ頃、まだ早い、腐りかけているかを瞬時に識別しなければならない。生死に関わる問題だ。これにより、赤い果物の色の微かな違いを適切に認識する能力を獲得するに至ったというのが私の説だ。
その間、男性はマンモスを追いかけていた。朝から集団で出かけ、手に棒を持って草原を駆け回り、獲物を捕らえ、夕方集落に戻ってくるという生活を何百万年もの間、繰り返してきた。赤を識別する能力は発達しなかった。これが、現在、コーヒー摘みの上手い下手を分ける要因となったのではないか。
しかも、男性軍のご先祖様はやり過ぎた。マンモスが全滅するまで、狩りを止められなかった。いや、全滅してもやめられない。数百万年も続けてきた男の習性だ。絶滅したマンモスの空白を、文明の利器が埋めた。すなわち、マンモスの代わりに、直径4センチ強の硬いボールを考え出した。手に持つ棒は14本に増え、バッグに入れて背負えるようになった。そしてやはり4人一組の集団で、朝から晩まで野原でボールを棒で引っ叩きながら追いかけまわすようになった。
だから今日も女房殿がコーヒー摘みをしているのに、私は近所の農園主の男達とマンモス狩りゴルフに出かけるのだ。もうこれは誰にも止められない。なんたって、DNAに組み込まれている。ウッホー ウホウホ ウッホッホー。
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2014/01/01
yamagishicoffee
手嶋レストランの手嶋静子おばあちゃんが先日亡くなった。享年106歳。コナで一番の有名人。つい最近まで、日本食レストランを切り盛りし、テーブルまで食べ物を運んでくれた。日系2世で日本語も達者な彼女は、日本のテレビに何度も紹介されているので、ご存知の方が多いと思う。レストランは朝早くから夜まで営業していて、近所のコーヒー農家にとっては大切な食堂。料理はボリュームがあり、労働者の味方。また、コナへ来た旅行者が彼女に会うために押し寄せる観光スポットでもある。
1929年に雑貨屋として開業して以来、彼女はその地で80年以上の歴史を刻んできた。子供が5人、孫が17人、ひ孫が27人、玄孫が16人と、その血を受け継ぐ人も多い。また、地元の高校では、彼女の私財からの奨学金の恩恵を受けた卒業生が多い。
日系2世で私のゴルフ仲間のクリストさんは今年81歳。とても力持ちで若いころは100ポンド(45キロ)のコーヒー袋を2つ両肩に担いで坂を上り下りしたそうだ。町の水道局を引退してから20年が経ち、コーヒー畑とペットの豚の世話をするのんびりした生活を楽しみたいところだが、そうはいかない。なぜなら、彼の奥様は手嶋おばあちゃんの娘だから。「ばあちゃん働いているから、婿のワシがレストランを手伝わないのダメね。」と、よく、ぼやいていた。
ハワイの日系人は全米で最も長生きの民族的グループとして知られている。温暖な気候、日本食を食べ、もちろんコナコーヒーを飲んでいるので健康なのだろう。
ハワイへの旅行者は海辺のホテルに泊まるが、コナの日系人は標高の高い、コーヒーベルトと呼ばれる所に住んでいる。海辺より4度ぐらい気温が低い。常夏とはいえ、気温は夏でも26度を超えない。だから、我々の家には冷房もなければ暖房もない。体にストレスがかからない。コーヒーに良い気候は人間の体にも良い。
家庭菜園も盛ん。日本風に調理して食べるから、健康な食生活だ。沢山収穫できると、親戚・友人に配る。常におすそ分けが来るから、新鮮な野菜に事欠かない。先日、日系3世の友人から、インゲン豆を貰った。塩も調味料も使わずに油で炒めただけで、柔らかく甘い。今まで食べたことのない旨さ。早速、種を貰ってきた。先祖が100年以上も前に日本から持ってきた品種を大切に受け継いでいるそうだ。
果物は、誰の家のどの木が美味しいか、皆が知っている。その木から果物が採れると、親戚・友人で食べる。その次ぐらいに美味しい物が、地元のスーパーに並ぶ。さらに1ランク下の我々があまり興味のない木の果物は観光客向けの青空市に行くことになる。それでも、観光客は大喜び。こういう生活をしていれば、長生きするのもうなづける。
そういえば、3年前、プロゴルファーの石川遼が冬のトレーニングにスキーを活用という記事を読み、私は常夏のハワイから、苗場に、わざわざ“冬のトレーニング”に行った。苗場といえばユーミン。彼女の曲に合わせて滑るだけでゴルフが上達するなんて、なんと楽しいトレーニング。と思いきや、♪派手なターンで転んで~煙が舞い立つぅ~♪なんてもんじゃない。左ひざのじん帯を切断した。帰国後、靭帯の移植手術。冬のトレーニングのはずが、リハビリの日々となった。その際、日頃、お世話になっているシルビアさんから、グルコサミンのサプリメントを飲むと膝の痛みに効くと教わった。彼女も膝を痛めたときに飲んだそうだ。そこで、彼女から驚愕の発言。「膝を痛めてびっくりした。ああいうのは年寄りがなるものと思っていた。」彼女は今年80歳。コナではまだまだ若手かなぁ。
手嶋静子さんのご冥福をお祈りいたします。
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2013/12/02
yamagishicoffee
コーヒーの収穫が始まった。コーヒー畑にはみかんやオレンジが植えてある。柑橘類の収穫時期はコーヒーと重なる。この時期、朝は自家製の新豆コーヒーと、もぎたて絞りたてのオレンジジュースが並ぶ。実に贅沢な気分の朝食だ。
今年のノーベル経済学賞を受賞したEugene Fama教授の金融理論に効率的市場仮説がある。株式などの金融市場は多くの参加者の競争により、情報がいち早く価格に反映される。過去の価格の情報(罫線・チャート分析)や企業の公開情報(ファンダメンタルズ分析)は、既に現在の価格に織り込み済みで、将来の株価を予想する役には立たないとされる。なかなか儲からない訳だ。Fama教授はさらに「強度の効率的市場」を想定した。そこでは非公開情報(インサイダー情報)も、価格に織り込み済みで、インサイダー情報を用いても将来の株価を予想できない。さすがに、これは実証分析で否定され、現実の世界はこれほどには効率的ではないとされる。
ところが、私のYale大学MBA時代の恩師のStephen Ross教授が、好んで用いる「強度の効率的市場」の例外的な実証例にオレンジ相場がある。オレンジジュースの元になるオレンジの相場はフロリダ州オーランドの気候に左右される。そのオレンジ相場は気象庁の天気予報よりも正確にオーランドの天気を予想するという。つまりオレンジ相場は、市場には出ていないインサイダー情報(この場合は公開されていない天気予報)すら、織り込み済みという驚異的な具体例だ。
さて、コナの冬は乾季。コーヒーの木は成長を止める。枝は乾き、葉は黄色くなる。今にも枯れそうに見える。やがて、春になると、雨が戻ってくる。木の組織中の水分量が増えて、木は元気を取り戻したように見える。すると白い花が咲く。花はジャスミンの様な香りがする。満開時には畑が真っ白に見えるので、コナスノー(コナの雪)と呼ばれる。だから、春になると雨が待ち遠しい。
ところが、先日、地元の友人から面白いことを聞いた。彼によると、雨が降るから花が咲くのは確かだが、花が咲くと雨が降ることもある。コーヒーの木は気温や湿度の変化などさまざまな情報を感じ取り、もうすぐ雨が降ることを察知し、準備している。時には雨に先んじて花を咲かせ、雨はその後、遅れを取り戻すように降ってくるというのが彼の考え。自然界の虫や植物には人知を超えた能力があるというのが彼の持論だ。私は彼の観察力に感銘した。コーヒーの花は天気予報よりも正確に雨を予想して、もし、コナコーヒーの先物市場が存在すれば、「強度の効率的市場」の具体例になりそうだ。
そこで思い出したのが前述のオレンジ相場。私の義兄にカナダの気象予報官がいる。彼にオレンジ相場の話をしたら、オレンジ業界の人が、民間の気象学者を雇って、天気を予想しているに違いないとの答えを得た。特定の地域に注力すれば、広く全国的に天候を分析する気象庁よりも、正確に予報することは可能だそうだ。しかし、それでは面白くない。私は人知を超えた植物の能力を持ち出し、人よりも先に、オレンジの木自身が気象状況を感じ取り木や実の状態を変化させていて、それが先物相場に反映されているのではないかと、食い下がってみた。しかし、義兄は、農業の人はよくそういう話をするが、それはありえないと取り合ってくれない。確かに、現在では天候を対象に取引する金融商品まで存在し、天気予報よりも正確に広範囲にわたって天気を予想できれば、大金持ちになれる。しかし、オレンジやコーヒーの方が人より賢く、効率的な市場を構築できるというのはちょっとロマンのある話だと思うのだが。証明したら、ノーベル賞が取れるかも。
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2013/11/02
yamagishicoffee
農地を2エーカーから5エーカーに拡張したので、今年は近所の17歳のJ君をアルバイトで雇った。メキシコ人移民の子。5年前、この家を買った時にメキシコ人グループに収穫を手伝ってもらった際、父親に連れられて小さな子が働いていた。その子が今では185cm。高いところの実が楽に摘めて羨ましい。高校の成績がオールAで、飛び級して1年早く卒業した。1年間働いて大学へ行く資金を貯めたいというので、雇うことにした。
私の知人のKaneko氏は80歳近い日系3世。10人兄弟の3番目。上の2人は大学へ行かなかった。彼も高校卒業後、父や兄と一緒にコーヒー畑で働いた。弟や妹たちも手伝い、お金を貯め、3年遅れで大学へ行った。家族全員で働き、お金が貯まると順番に次の子を大学へ送り、上の2人の兄たち以外は全員大学へ行ったそうだ。昔の日系人はコーヒーを足がかりに、そうやって世代を経て社会進出を果たした。
かつて(1932年~1969年)、コナの小中高校は、コーヒーの収穫に合わせて、9月から11月を夏休みとしていた。これをコナ休暇と呼び、子供は大人に混じりコーヒー畑で働いた。現代のアメリカでは児童労働法により16歳以下の児童の労働には規制がある。やがて、コナ休暇の制度は廃止され、児童の労働も表立ってはなくなった。
そもそも、アメリカの法体系は複雑。旧フランス領のルイジアナ州を除く49州(ハワイを含む)ではイギリス型のコモンローが基本となる。裁判による判例の積み上げによって成り立っている。そのほかに連邦政府や州政府が制定する法律がある。州法は州によって異なる。ある州では合法でも他の州では違法になることがよくある。また、州法で合法でも連邦法で違法ということもある。矛盾だらけの法体系。弁護士が儲かるわけだ。
フロリダ州には妻が皿を1日に3枚以上割ったら、夫は妻を離婚することができるという州法が残っている。昔のアメリカでは皿が妻よりも貴重だったのだろうか。落語の厩火事(うまやかじ)では、麹町のさる亭主が女房よりも皿を大切にしたために女房から離縁されたが、アメリカでは夫は偉いのだ。ただし、今でもこのフロリダの法律は存在するものの、これをたてに離婚の申し立てをしても、裁判所は離婚を認めないだろう。
子供のコーヒー摘みに関し、連邦法とハワイ州法では扱いが異なる。連邦法では児童の労働は原則禁止だが、ハワイ州法では数ある農産物の中で、コーヒーの収穫のみは、例外として認可をとれば可能との条文が残っている。昔の日系コーヒー農家の必死さがうかがえる。
先日、コーヒー農家を集めて、労働法のセミナーが開かれた。ハワイ州の役人がコーヒーの例外扱いの説明をした。例えば、10歳から14歳の児童は、保護者の監督の下、休校日に限り朝6時から夕方6時までの間、2時間毎に15分の休憩と1時間の昼食時間を取る条件で認可される。一日6時間、週5日以内で、危険な環境下に置かないことが求められる。彼女は、この認証はオンラインで手軽に取得できますと聴衆に呼びかけた。
次に、連邦政府の役人が登場。彼曰く、連邦政府は16歳以下の労働は認めない。ハワイ州法のコーヒーの例外処置も認めないとたたみかける。面白いから、昔の日系人の文化や、それに根ざした州法も尊重してほしいと食い下がってみた。すると、こんな昔の州法を根拠に、町ぐるみで児童の労働を行なえば、連邦政府はハワイ島からのコーヒーの他州や外国への輸送を禁止できるんだ。そうすれば、新聞の一面に取上げられ、児童虐待としてコナコーヒーの名声は地に落ちるだろう。我々、連邦政府にはそれだけの力があるのだ。なめんなよという具合に、にらみを効かせていた。
怖わー。いまさら、誰もやってないよ、そんなこと。でも、コナ以外の世界中のコーヒーは、すべて例外なく子供が過酷な条件下で働いているんだよなあ。ところで、J君は17歳。連邦の労働法では大人扱い。頑張って大学に行ってね。
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2013/10/04
yamagishicoffee