農園便り

2015年11月

新宿伊勢丹コーヒー催事

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先週、新宿伊勢丹で行われたコーヒーの催事に行ってまいりました。講演では、コーヒー業界は近年ワイン業界の用語をかりてテロワールを盛んに語るようになっていますが、テロワールも大事だが、コーヒーの場合は、収穫の丁寧さが品質に強く影響するという趣旨の話をさせていただきました。

催事のフロアーではコーヒー業界の各社が出店しており、キャピタルコーヒーさんに山岸コーヒーをフィーチャーしていただき、今回の催事用の特別なラベルまで用意していただきました。

 

また、催事場をいろいろ飲み歩き、さまざまなコーヒーが楽しめました。

 

その中で、私どものコーヒーは

 ティピカ種

 手摘み

 水洗式

 天日乾燥

まさにコーヒーの保守本流、コーヒーの原型という印象を受けました。

 

ティピカはいろいろ品種改良される前の、最も原種に近い品種。しかも、香味は最高級品。
会場に出店された堀口珈琲の堀口氏も、コナのティピカはコーヒーの基本形とおっしゃっていましたが、そのとおりと実感しました。コーヒーの香味に個性を求められる時代に入ったと言われますが、こうして並べられると、基本形の良さが引き立ったと思います。  


 

会場で山岸コーヒーを試飲いただいた方々からは、以下のようなコメントをいただきました。

 おいしい

 クリーン

 飲みやすい

 すっきり

 シンプル

 コーヒーの味しかしない

どれも、ティピカ種・手摘み・水洗式・天日乾燥の基本形の香味を表現して頂いたものと思いました。

 

ご来場の皆様、ありがとうございました。
 

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2015/11/28   yamagishicoffee

今日は感謝祭 畑から七面鳥が消えた!?

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伊勢丹のコーヒー催事のために日本に行き、昨日ハワイに戻った。

10日ぶりに戻ったら、畑には赤い実が鈴なり。

コナの多くの農園では収穫が終わっているのに、うちは2~3割程度残っている。

果実の成熟に時間をかける方が上質になるというのが信条なので、うちの収穫はいつも遅くまで続く。毎年のことだが、やっぱり早く終わって感謝祭を楽しんでいる人がうらやましい。

そういえば、感謝祭どころか、クリスマスや大晦日も毎年コーヒーを摘んでいる。

昨日は飛行機を降りて、2時間後にはコーヒー摘みを開始。雨の中ずぶ濡れになりながらの収穫だ。

今日も感謝祭(Thanksgiving Day)だというのに、コーヒー摘みに明け暮れた。

ところで、うちの畑には普段からたくさんの七面鳥(ターキー)が住んでいるが、不思議と今日は見かけなかった。一体、どこへ消えたのだろう?

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2015/11/27   yamagishicoffee

新宿伊勢丹コーヒー催事とセミナー

明日の飛行機に乗って日本に行きます。

11月18日から23日まで新宿伊勢丹でコーヒーの催事があります。
午後は6時ごろまで、なるべく会場にいるようにします。
http://www.isetanguide.com/20151118/mycup/

22日にはセミナーもあります。
クリーンカップについてお話します。
http://isetan.mistore.jp/onlinestore/foods/coffee/index.html

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2015/11/16   yamagishicoffee

ハワイ島でデング熱流行 僕のせいじゃありません! Part2

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ハワイ島でデング熱が流行している。先日のデング熱に関するタウンホールミーティングがコナで開かれた。

ホノルルから、衛生局の専門家たちが来た。まるで雰囲気が違う。衣服もそうなんだが、なんか雰囲気が都会っぽくて、コナの人とはまるで違って見える。ハワイ訛りはないし。われわれ地元の人間ときたら、田舎丸出しでのんびりしている。第一、市長が一番訛ってる。

そんな中で、ヒッピーの人で、「最初にデング熱を持ち込んだ犯人は誰だ? どうしてまだ特定できないんだ」と、さかんに衛生局のスタッフを責立てる人物が現れた。犯人を捜して何の役に立つのかさっぱりわからないが、非難する相手を見つけることに情熱を傾ける人が、あの年代のあのタイプの人にとても多い。コーヒー農家の集会でも、彼らが発言を始めると非難合戦で収集がつかない。

また、別のヒッピーは「発病者をちゃんと隔離して、かぎ掛けて出てこれないようにしろ。私が罹ったら困るんだから!」と絶叫している。「発症者はとても苦しいので、彼らが町に出歩くことはありえない」と、専門家が説明しても、まったく収まらない。

私なんか、以前にデング熱を発病した際には、熱と全身の痛みとだるさで、ベッドから出られなかった。5メートル先のトイレに行くのも難儀だった。絶対に家の外には出かけられない。病院でもタイロノールを飲んで点滴を打ち続け、温めた毛布を7枚もかけても、寒さにガタガタ震えるばかり。デング熱には治療法がなく、体力をつけ、体がそれと戦うしかない。

また、このミーティングを待ってましたとばかり、自分の製品を売り込もうとする人が現れ、長々と演説を続ける。小さなコースターぐらいの薄っぺらい磁石を二枚持ち出し、これを頭の両端につけると、体の中からデング熱のウィルスが逃げていくと力説する女性。また、このユウカリの木から抽出したエキスを飲むとデング熱が治ると売り込みをかける男性など。

同席していた医者や専門家たちは目をグルグルさせ、お互いを見詰め合い、笑いをこらえ、いつまでも続く彼らの演説を止たが、面白いのでもっと続けてほしかった。デング熱がこれまで存在せず、その知識の蓄積のないこの小さな村で、発生後たった数週間で、それだけの商売を考え付くというのは、なかなかたくましい。ガマの油売りくらいの芸があれば、もっとよかったのに。

デング熱患者の数は級数的に増えている。一人が二人に、二人が四人に、四人が八人に、八人が十と六人に、、、さあーて、お立会い!
 

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2015/11/14   yamagishicoffee

ハワイ島でデング熱が流行 僕のせいじゃありません!

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6月にデング熱にかかった際の顛末を、以前このブログに記した。

そして、今、デング熱がこのハワイ島で流行している。

もともとハワイ州にはデング熱はなく、観光客が発病するか、私のように海外渡航者が帰国後に発病するだけだったが、今回はこのハワイ島内で感染する人が続出している。

今年に入って、デング熱を発症した人はハワイ州で33人に上り、この数字は毎日増加中。

昨日は、コナでタウンホールミーティングが開かれ、州の衛生局が来て、現状の説明と対策について説明した。

昨年の日本の代々木公園のようにハワイ島内にウィルスを持った蚊がいるのだが、その場所が特定できていない。日本と違って、常夏の島なので、蚊がいなくなる季節がない。このまま放置すると、デング熱がハワイ州に土着してしまう。楽園ハワイとしては、絶対に早期に押さえ込まなければならない局面だ。

また、今回の流行の原因になった人物も特定されていない。4つあるデング熱のタイプのうち、今回流行しているのはタイプ1。私がかかったタイプと同じだ。

まさかと思い、衛生局の専門家に「すまねえ、犯人はあっしかもしれねえ」と自首したところ、「あなたの場合はすでに5ヶ月が過ぎているので、今回の流行はあなたが原因ではない」と、無罪放免となった。

よかった。私のせいじゃなくて。それに、私はタイプ1の抗体はすでに獲得しているから、どんなに大流行しても、もう罹る心配もないし。はい、自分さえよければ、それで結構です。皆さんお気をつけて。
 

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2015/11/11   yamagishicoffee

コナコーヒー農園便り 猿だ、猿だ、お前は猿になるのだ!ウッキー!

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猿やジャコウネコなどの森の小動物の糞から取ったコーヒー豆が最高だという意見がある。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン共演の映画 “The Bucket List”(邦題:最高の人生の見つけ方)にも登場する。コーヒー豆は種子。果肉は消化されても、種は消化されない。実際にそのようなコーヒーが高値で取引されている。

以前、買って試してみた。僅かな発酵臭を感じるのは残念だが、かなりクリーンな出来なので感心した。ただし、翌日まで残しておいて、冷めたのを飲んだら、気のせいかもしれないが、鶏糞のような匂いがしたのはご愛嬌だ。

世間では動物が食べたコーヒーの種が消化器官を通過するにつれて熟成され、すばらしいコーヒーとなると説明されている。それが本当なら、私もコーヒーの実を自分で食べて(コーヒーの果実は甘い)、種をトイレから汲み出して、販売しようかとも考えた。猿やネコでなく、人間様の糞だから超極上になること必定。しかし、衛生局から多額の罰金と営業停止を喰らうことは容易に想像できる。なぜ猿やネコだと極上品で人間だと駄目なのかは理解に苦しむが、諦めたほうが無難だろう。

しかし、消化の過程で熟成されて上質な味わいになるとの世間の説明は納得しかねる。私が思うに、動物たちの実の摘み方が上手だからコーヒーが美味しくなるのではないか。コーヒーは種の周りには果肉が付き、完熟した赤い実は、ほのかに甘い。完熟前の緑色の段階では糖度が低いが、黄色からオレンジ色に変色する頃から糖度が増し、赤色になると甘くなる。さらに完熟が進み、ワインカラーになる頃には糖度が最高値に達し、それを過ぎると腐敗が始まり糖度が下がる。動物たちは美味しいコーヒーを作ろうとは考えていないが、ただ単に甘い完熟した実だけを選んで食べている。それが、たまたま美味しいコーヒーの摘み方と一致している。けっして、ウンチが美味しい訳ではない。

さて、世界中のコーヒー農園では季節労働者がコーヒーを摘む。彼らは摘んだ重さで支払われる。農園主から完熟実だけを摘めと指示されるが、多く摘めばそれだけ儲かる。だから、なるべく速く摘む。どうしたって未熟の緑の実が混じる。農園主に言われた通り馬鹿正直にやっていては、彼らだって生活できない。一説には世界中のコーヒー農園には2,500万人もの労働者がいるらしい。つまり、私ら2,500万人全員が猿以下なのだ。

うちのコーヒーがクリーンといわれるのは農園主が自ら摘むからだ。そういう農園のコーヒーは一般には流通しない。農園主の私は、速く摘まなくても自分の収入には関係ないので丁寧に摘める。しかし、私だって、何ヶ月も、毎日毎日10時間も摘み続ける訳だから、どうしたって、速く終わらせたい。すると緑の未熟実が混じる。

漫画の伊達直人は“虎だ、虎だ、お前は虎になるのだ”と、英才教育を受けたから心優しいタイガーマスクに成れたが、私は“猿だ、猿だ、お前は猿になるのだ”と、育てられた訳ではないので、猿ほどに上手くは摘めない。そこで、私と妻は朝コーヒーを摘み始める前に”ウッキー、ウッキー、ウッキッキー”と叫びながら畑に向かう。心構えは大切。

日々、緑の実が混じらないように能力限界まで丁寧に摘んでいる。さらに、腰のバスケットから大きな袋に詰める前に平らなところに広げて、好ましくない実は取り除く作業をする。1時間に10分ぐらいはこの作業が欠かせない。それがクリーンなコーヒーを作るための鍵だから。早く猿の境地になりたい。
 

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2015/11/01   yamagishicoffee