農園便り

2018年05月

キラウェア火山の噴火

 ハワイ島のキラウェア火山の噴火活動が活発化しおり、ご心配をおかけしております。

 コナ地区はキラウェア火山とは4300m級のマウナロア山を挟んで島の反対側にあります。私どもの畑と火山とは100キロ以上離れており、こちら側はいたって平穏です。

 キラウェア火山は1983年から噴火を続けており、ハワイ島の重要な観光資源です。今回は住宅地から溶岩が噴出し始めて、住宅地に被害が出ました。また火山灰により、その近隣の農作物にも被害が出ました。よって、大きなニュースとして報道されています。

 テレビ等の報道はショッキングな映像を流すので、ハワイ島全体が大変なことになっているような印象を与えますが、被害は火山の近隣の一部の地域に限定されています。

 ショッキングな報道のため、この数週間、ハワイ島への観光客が激減して、観光業が打撃を受けています。確かに観光の目玉のVolcano National Park(火山国立公園)は閉鎖になりましたが、ハワイ州では、他の地域は安全なので、休暇の予定を変更する必要はありませんと観光客に呼び掛けています。

People play golf as an ash plume rises in the distance

 写真はUSA TodayのHPに掲載されていたものです。火山が水蒸気爆発しても近所のゴルファーは気にせず、ゴルフを続けている様子を撮ったものです。(ゴルファーたるもの、物事に動じない心の強さが必要で、あっぱれです。)

 確かに被害にあわれた方々はお気の毒ですし、溶岩流が向かっている先の住民には避難命令が出ていますがが、火山近隣のほとんどの人は普通に暮らしています。ましてや、コナは島の反対側です。風向きによっては微量の噴火ガスが流れてくる日もありますが、暮らしに影響はありませんし、コーヒー畑には全く影響がありません。ご安心ください。

 

 

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2018/05/20   yamagishicoffee

根回し

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金融用語にStock(株)やYield(利回り)など、農業由来の単語がある。Stockは日本語と同じで切株が転じて株式。Yieldは作物の収穫が転じて利回りの意味で使われる。農業は種を撒いて、果実や種を何倍にも増やす活動だから、そもそも投資の原型である。それに、昔はどの国も人口の8割以上は農民。農業用語が言語の中心だったのだろう。

日本語の「根回し」も農業用語。樹木は植え替える前に根回しをする。植木屋さんの友人に伺ったところ、大きい木だと、根回しは植え替えの2~3年も前から始まる。根回しとは、木の根元の周りを掘り、横へ伸びる太い根を切って、再び土をかけること。すると根元の近くに細根がたくさん生えてくる。細根が充分生えた頃を見計らって植え替える。これで植え替え後も、根は養分・水分を吸うことができる。時間をかけて準備するからスムーズに定着する。これこそ日本のお家芸。さすが植木屋さん。

農業由来の根回しだが、一般にも転用される。組織の意思決定プロセスには必須。きちんと根回しが出来てこそ、一人前のサラリーマンだ。日本の会社はアイデアを出し実行する人が、決定する人とは違う。だから、根回しがあって、稟議制度がある。若い人が発議して、稟議がグルグルと会社内の権限者を回って承認を取るので、事前に根回しが必要だ。

ところが、アメリカでは少し違う。もちろん、最低限の根回しは必要だが、組織の在り方が違う。アイデアとその実行力のある人が、年齢に関係なくボスになり権限をもつから、自分で考えて実行して完結する。意思決定が速いし、責任の所在もはっきりしている。

NYのメリルリンチへ転職して数カ月たった頃、ケイマン諸島に子会社を作る必要ができた。ボスとそのまたボスと相談して了解を得たら、社内弁護士と関係部署数人で15分間の電話会議をして終わり。2週間後には子会社が出来上がり、私は子会社の役員に就任した。たったの2週間。これにはたまげた。

もしこれが、日本の銀行ならばどうだろう。考えただけでも気が遠くなる。担当者と課長は部内の総務の課長と担当者と企画書を練り上げて、部長と副部長を説得。その後、企画書を持って、銀行内の総務部、企画部、システム部、事務部、人事部、検査部などを行脚し、各部の担当者に根回しをする。もちろん、当局への報告・許認可手続きの為の根回しも欠かせない。すべての合意が取れて、やっと稟議を発議。稟議書が各部を周った後、役員、頭取の了解を得ることになる。ところが、稟議の決裁後、いよいよ子会社設立の段になって、稟議を法務部に回し忘れていたのに気が付いて、厳重注意を受け、稟議もまともに書けない奴との烙印が押され、サラリーマン人生の汚点なんてことになる。

これほど意思決定に時間と労力がかかっては競争にならない。そのうえ、こんなに大変だから、サラリーマンは根回しのコツを覚えることに人生をかける。根回しの上手い下手がその人の会社での存在価値みたいになる。これでは社員の能力の無駄遣いだ。根回しはサラリーマンの勲章、日本のお家芸だが、実は日本経済の足を引っ張る風習かもしれない。

さて、先日、大きなハラの木と15m以上あるヤシの木を植え替える必要がでた。業者に依頼したところ、陽気でフレンドリーなハワイアンのオッサン数人がブルドーザーとシャベルカーでやって来た。いきなり木の周りを掘って、引っこ抜いて、新たな場所に穴を掘って、木を差し込んで、土をかぶせて肥料と水をやって、一日で終わり。さすがアメリカ、南国ハワイ。こいつら根回ししねーんだ!

日本のお家芸は世界で通用するのか?

 

 

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2018/05/01   yamagishicoffee