農園便り

生まれたばかりのカメレオン

201910 Chameleon2.jpg

コナ・コーヒー畑の中でカメレオンの卵が孵ったらしい。

昨日は間違ってコーヒーと一緒に小さなカメレオンを摘んでしまった。

バスケットの中でモゾモゾしているのを発見。

午前中に1回、午後にも1回。

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2019/10/14   yamagishicoffee

コーヒー摘み4周目に突入

今シーズンの収穫3周目が終了。同時に4周目に突入。

ほとんど休みなしで体重も1カ月で2kg減った。さすがに疲れが溜まってきた。

これまでの収穫量は9,994ポンド。九九九四。くくくるしー!

まだ半分以下だ。

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2019/10/11   yamagishicoffee

ペニーの使い道

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。この時期、コナのコーヒー畑にも同じようなことが起きる。コーヒーの実がたわわに生ると、重みで幹が曲ってしまう木がある。農園によっては、竹の棒でつっかえ棒をして支えたりする。

稲穂の格言は、徳を積んだ人ほど謙虚という意味だろう。アメリカ人も成功者ほどフレンドリーで人当たりが柔らかい。功成り名遂げる人の特徴は万国共通かもしれない。

ところで、ウォール街のトレーダーの間には、変わった迷信がある。通勤途中で道にコインが落ちていたら必ず拾うというもの。歩きながら、自然と頭も垂れる。

トレーダーには、ドーンと大きく賭けて、ガーンと損してアララーとなっても、次には、ドドーンと倍返しで賭けて、ドッカーンと大儲けして、ワッハハ―!というタイプの人もいる。だが、そういう人は稀で、たいていのトレーダーは、特に債券トレーダーに多いが、市場の僅かな価格差を見つけてはコツコツと鞘を取って稼ぐ。まさに、地面に落ちた1セントや5セントコインをコツコツと拾い集めるような地道なスタイルだ。だから、通勤途中でもコインを拾う。もし拾わないと、運が尽きて細かな鞘取りのトレーディングの機会を見失うかもしれない。強迫観念からくる一種のゲン担ぎだ。

こういう人たちは、病気みたいに拾う。たとえ、ビリオネア―になって伝説の投資家と呼ばれるようになっても、その癖が抜けない人もいる。

思うに、道端にペニー(1セントコイン、約1円)を落とすほど、無駄なことはない。ペニーは銅製で日本の10円硬貨と同じ色だが1円硬貨より小さい。落とした人は1セントの損をする。拾う人にしても、体の固い私には、ヨッコイショと腰を屈めるだけでも、1セント以上のエネルギーを消費しているように感じる。おまけに、ぎっくり腰のリスクもあるし、どんな病原菌が付いているか知れず、衛生上のリスクも抱えるので割に合わない。一方、米国政府は額面1セントのペニーを鋳造するのに1.7セントのコストをかける。誰にも拾われずに地面で朽ちたら、政府が使った1.7セントは全くの無駄になる。つまり、落とした人も、拾った人も、政府(納税者)も全員が損をする。

まったくペニーは厄介者だ。お隣のカナダでは、数年前にペニーの製造を停止した。日本で1円硬貨を鋳造停止にするようなもので英断だ。カナダのトレーダーはペニーを拾うコストとリスクから解放されたことになる。

さて、頭を垂れたコーヒーの木である。去年、コーヒーの栄養学の教授がブラジルから私どもの農園に視察に来た。ついでに、あちこち案内もした。コナのコーヒー畑の多くの木がたわんでいるのを見て教授は驚いた。彼によると、幹がたわむのは、微量栄養素の銅の不足が原因。植物は幹が多少たわんでも、真直ぐに戻るようにできている。ところが、銅が不足すると復元能力が失われて、一度たわむと元に戻らなくなる。

ブラジルでは機械で収穫するので幹がたわむのは大問題。銅不足にならないよう注意を怠らないらしい。ところがコナは手摘みなので、高い所の枝の実を取る際には、幹をフックで引っ掛けて、わざとたわませて手元に手繰り寄せて摘む。少しくらい、たわんでいた方が都合がよいから、たわませっぱなしだ。

でも、たわみ過ぎて地面に着くと困る。地面は湿気が多すぎて実が傷む。そこで、今年は、たわみ過ぎの木の周りには、銅でできたペニーをまいてみた。厄介者のペニーの有効活用だ。製造原価よりも安く取得できるからお得だし。でも、NY時代の同僚が遊びに来て、全部拾われちゃったらどうしようというのが悩みの種だ。

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2019/10/01   yamagishicoffee

コーヒー摘み上級編

https://youtu.be/VuvDGfKArzU

 

昨日ポストしたコーヒー摘みのビデオに続き、妻の秘技をご披露。

少しわかりにくいが、時折、黒っぽい実を一粒だけ摘まむのが数回ほど映し出されている。黒い実は、選り分けてピッキングバスケットの横に付けたジップロックの中へ入れる。

黒いのは傷んでいるか、過熟したもの(腐敗やカビなどの可能性がある)、またはCBBという害虫に食われたもの。虫食い豆は地面に落としてはいけない。必ず、畑から取り除く必要がある。だからジップロックへ入れる。

また、無理やり実を引っ張ると、枝の表皮まで引き裂いて枝を傷つるので、優しく実を回転させながら枝から切り離す。それと、木の健康を保つために葉っぱも落とさない。

こうやってきれいに摘み取ることがクリーンカップの秘訣。

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2019/09/20   yamagishicoffee

コーヒー摘みの様子 ビデオ

https://youtu.be/J2ixpQo3ITg

コナ・コーヒー収穫、今シーズンの第2ラウンド終了。

 

ビデオは妻が摘んでいる様子。

早送りではありません。

こんな感じで1日10時間、4カ月間摘み続けます。

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2019/09/19   yamagishicoffee

理想のコーヒーの味

いよいよコナ・コーヒーの収穫が始まった。1月まで続く。体重が何キロも落ちるダイエットの数ヵ月でもある。ただ、肉体的には辛くとも収穫は充実感がある。

収穫が始まると忙しくて訳が分からないうちに年を越してしまうので、今のうちに今年を振り返ると、今年、嬉しかったのは、吉幾三さんブランドの珈琲に私どもの豆を採用していただいたこと。それと、市川海老蔵さんが、一時期コーヒーに凝って、そのきっかけとなったのが私どものコーヒーだったこと。彼のブログの写真からの私の勝手な解釈だが。ともかく、成田屋さんに気に入っていただけるだけでも光栄で生産者冥利に尽きる。

生産者冥利といえば、以前、都内で私どものコーヒー豆を扱っていただくお店にこっそり見に行った際に、順番待ちで並んでいたら、目の前の着物姿のご婦人が、腰を屈めてショーケースに並ぶコーヒー豆を覗き、「ハワイの山岸コーヒーをください」と言った。店員が「山岸コーヒーはすぐに売り切れたので在庫がありません」と答えると、「あら残念。あんなに美味しいコーヒーは初めてだったので、お友達に差し上げようと思ったのに」と聞こえてきた。こんな場面に遭遇できるなんて、本当に嬉しい。

こんな身に余る体験をしたうえに、さらに私には夢がある。実に欲深い。それは、ドラマ「相棒」の杉下右京に山岸コーヒーを飲ませること。ドラマのオープニングで杉下右京が自分の机の上でコーヒーを淹れている。そこに隣の課の角田課長が「暇か?」と入って来る。コーヒーに驚き、「警部殿、遂に紅茶からコーヒーに宗旨替えか?」と尋ねる。すると、「いえね、最近、理想のコーヒーに出会ったもので。今までこのコーヒーに気が付かなかったとは、僕としたことがうかつでした」と答える横に、さりげなく山岸コーヒーが置いてあるという設定。さらに、「おや?」「妙ですねぇ」などと呟きながら、コナコーヒーの流通量は生産量よりも多いという産地偽装事件を掘りだす。そして、山岸農園の味を知る右京は、次々と本物と偽物を見分けて、みごと事件を解決するというストーリー。コーヒーを摘みながらこんな妄想にふけると、重労働も結構楽しい。

空想ついでに、私には追い求める理想のコーヒーの味がある。それは、全盛期のルチアーノ・パヴァロッティが歌うNessun Dorma(誰も寝てはならぬ)のようなコーヒー。Nessun Dormaはオペラ「トゥーランドット」のアリアで、パヴァロッティがトリノ五輪の開会式で歌った曲。偶然にも同五輪のフィギアスケートで荒川静香さんが金メダルを取った時の曲と言えば日本人には馴染み深いだろう。イナバウアーの瞬間の「タララララ、ラーララー♪」という例のメロディーだ。

パヴァロッティが歌うNessun Dormaのように、何も邪魔するものがなく澄み渡った透明感、天高く、どこまでも明るく、輪郭のはっきりした甘み、そして、ボリューム感があって情熱的。そんなコーヒーを作るのが理想だ。

なぜ、それを求めるかというと、コーヒーは完璧に育てると、そういう味になる。それがコーヒー本来の味だから。そのためには、その年の天候に恵まれるだけではなく、土とコーヒーの木を健康に保ち、病害虫から守り、秋には健康的に赤々と熟した実だけを丁寧に摘み、それを洗って、きれいに乾燥させる。さらに、比重の軽いものや欠陥豆を丁寧に取り除くなど、年間を通して様々な作業の積み重ねが必要となる。

パヴァロッティの歌声の域に達するのは、かなわぬ夢かもしれないが、一歩でも近づいて、杉下右京や市川海老蔵さんを唸らせたいものだ。もっともっと、クリーンで透明感のあるコーヒーに「なりたやー!」

https://www.youtube.com/watch?v=S8F-lenWkIo

 

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2019/09/01   yamagishicoffee

午前中は休息

収穫の翌日は午前中は休憩して、長靴を洗って干す。

次の収穫まで2週間。午後から草刈りを開始。その他、今週は害虫防御のためのカビ胞子散布、害虫が飛んでこないように隣の畑との境界に植えた垣根の剪定、そして、虫食いの実の除去など、農作業は続く。

ところで、休憩中の午前中は年に一度の健康検診へ行った。コレステロールの善玉・悪玉比率が正常範囲内に戻った。コーヒーを飲んでいる効果か、コーヒーを摘んでいる効果かは不明。

ついでに、ちょっと高めだった中性脂肪の値が大幅に下がった。妻は、首をかしげながら、「じゃ、これはなーに?」と私のお腹を指差すが、それは中性脂肪ではありません。ビール腹は男性脂肪です。

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2019/08/21   yamagishicoffee

収穫の第一ラウンド終了

収穫した実を、皮むきと乾燥をしてくれる友人のWet millへ持っていったところ、待ってましたと歓迎を受けた。別に私に会いたかったからではない。うちのコーヒーの実を待っていたらしい。

皮むきの機械は回転式ドラムにギザギザが付いていて、そのすき間にコーヒーの実を通すときにギザギザに引っかかって皮がむける仕組み。すき間が広すぎると皮がむけない。狭すぎるとコーヒー豆(種子の部分)まで削ってしまい、豆が欠ける。よって、シーズンが始まる時にはそのすき間の広さを調節する必要がある。

その調節のためには、うちのコーヒーの実でないとダメらしい。うちはコナで欠陥豆の混入率が一番低い。欠陥豆が多いと、豆が欠けたのは、すき間が狭いからか、それとも、もともと欠陥豆(欠けやすい)だからなのか判別しにくい。また、皮がむけないのは、すき間が広すぎるためか、実が腐って皮が豆に付着しているからか判別しにくい。だから、毎年、欠陥豆の少ないうちの農園の実を使って、調節するそうだ。実験台か。。。。

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2019/08/21   yamagishicoffee

コナ・コーヒーの収穫の季節到来

収獲の第一ラウンド開始。

これから1月まで摘み続ける。

今年はコーヒーの実の生育状況が非常に良い。

こういう綺麗な実を摘むのは楽しい。摘んだ実を入れる袋も新品で気持ちが良い。

でも、毎年、収穫が始まると、忙しくて、訳の分からないうちに一気に年越し。

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2019/08/14   yamagishicoffee

コーヒー豆のハンドソート(手選別)

コナコーヒーは生豆が綺麗なのが特徴。コーヒー豆はすべてが健康に育つ訳ではないので、生産の各工程において、欠陥豆を取り除く作業を繰り返す。

まず、コーヒーの木を健康に育てる。そうすれば不健康な欠陥豆の比率は減る。害虫対策も行い、虫食い豆の増加を防ぐ。なかでも、コーヒーの生産で最も重要で、かつ難しいのは健康に完熟した実を選り分けて摘むことで、ここが農園主の腕の見せ所。

さらに、収穫後の精製所でも選別は続く。まず、実を水に通し浮いてくる比重の軽い実は取り除く。果皮と果肉を取り除いた後に、再度水に漬けて浮いたものは取り除く。

パーチメントを割ったら、サイズ分けし、極端に大きい物や小さいものは取り除く。次に比重テーブルで比重の軽い豆は取り除く。当農園では採用していないが、農園によっては色選別機で、変色したもの、虫食い跡のある豆を取り除く。

8年前にCBBという害虫がコナに上陸して、虫食い率が上昇した。多くの産地では殺虫剤で対処するが、アメリカは農薬の規制が厳しいので使えない。さらに、他の産地でハンドソート、つまり、人が手作業で欠陥豆を取り除くが、コナでこれをする農園はない。ハワイは人件費が高いので、機械による欠陥豆の選別が主だ。

例外はコーヒーハンターの川島良彰氏の会社のシャンペンボトルに入ったコナコーヒー。毎年、何人もの社員と一緒にコナに来てハンドソートする。飛行機代やホテル代を払って何日もやるから利益は出まい。相当なこだわりだ。

うちの農園も、害虫が上陸した最初の年は、妻と手作業で欠陥豆を取り除いた。すると、麻袋1袋(100ポンド)を選別するのに1週間。3袋で力尽きた。我々の年間生産量は多い年は約50袋なので、全部で丸一年かかる。無理だ。

そこで、開花と収穫の間の春から秋にかけて、全ての木の全ての枝の全ての実を見て、虫食い豆は収穫する前に取り除く事にした。虫は級数的に増加する。増えた後で取り除くのではなく、増える前に取り除く作戦。これで虫食い率がコナで最小になった。けど、手間がかかりすぎるので、コナでこれをする農園は他にないし、たぶん世界にもないだろう。

ところで、日本のテレビや雑誌で、喫茶店のマスターや焙煎士が焙煎前に、生豆を手で選別して欠陥豆を取り除く光景を見かける。日本人マスターの良心的で真心やこだわりを感じさせる感動のおもてなしシーンだ。しかし、経済学的に見れば、これほど、ばかげたシーンはない。本来は、人件費の安い生産地で選別すべき。わざわざ、粗悪のまま日本に運び、何十倍も人件費の高い日本で選別しては割に合わない。マスターの真心には頭が下がるが、地球全体で見れば、効率的な資源配分とはいえない。

コーヒー生産国の労働者の賃金は信じられないほど安い。消費国がコーヒー一杯に1円くらい余分に払って、その分を産地でハンドソートに充てれば、労働者の収入は何倍にもなるし、日本のマスターも真心を安売りしないで済む。その方が効率的な資源配分で、品質は上がるし、コストは下がり、コーヒー業界の生産性は向上する。

ただし、コナは例外。日本よりも人件費が高い。ハワイでは世帯年収740万円で低所得者層、465万円で貧困層とされる。これはオアフ島の統計だがコナも高い。だから、コナコーヒーが害虫被害で流通量が減ったと、あまり怒らないで頂きたい。えっ?他の産地のようにハンドソートしろって? この際だから、思い切って言っちゃうけど、あんたら日本人の人件費はハワイよりもずっと安いんだから、そっちでやってよ。ハハハ! 

人件費高騰のおり、ご理解賜りますよう、村を代表してお願い申し上げます。

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2019/08/01   yamagishicoffee