アースデイにビーチクリーンアップ
今日はアースデイ。有志が集まって、ビーチクリーンアップ。Kohanaiki海岸を皆でお掃除。
ハワイではビーチに私有権はない。プライベート・ビーチなるものは存在しない。ビーチは皆の物。
ビール瓶の細かな破片が結構あるが、さすがアメリカ、たばこの吸い殻はなかった。
今日はアースデイ。有志が集まって、ビーチクリーンアップ。Kohanaiki海岸を皆でお掃除。
ハワイではビーチに私有権はない。プライベート・ビーチなるものは存在しない。ビーチは皆の物。
ビール瓶の細かな破片が結構あるが、さすがアメリカ、たばこの吸い殻はなかった。
山椒魚は悲しんだ。彼は彼の棲家である岩屋から外に出てみようとしたのであるが、頭が出口につかえて外に出ることはできなかったのである。今はもはや、彼にとっては永遠の棲家である岩屋は、出入口のところがそんなに狭かった。そして、ほの暗かった。強いて出て行こうとこころみると、彼の頭は出入り口を塞ぐコロップの栓となるにすぎなくて、それはまる二年の間に彼の体が発育した証拠にこそなったが、彼を狼狽させ且つ悲しませるには十分であったのだ。「なんたる失策であることか!」(井伏鱒二著 山椒魚)
井伏鱒二の小説「山椒魚」はまるで現在の日本銀行。異次元の金融緩和で、日銀の資産は膨れ上がり、もはや出口がない。金融政策を正常化しようにも、資産規模がデカすぎて市場に壊滅的な打撃を与えずには出られない。なんたる失策であることか!
日銀による指数連動型上場投資信託の大規模買い付けにより、日銀は実質的に日本の企業の大株主となった。株式市場を中央銀行が買い支えるなんて、まさに禁じ手。また、日銀は日本の国債発行残高の4割以上を保有し、日本国の最大の債権者である。毎年発行される国債の8割近くを買い支えている。財政赤字を中央銀行が補填する事(財政ファイナンス)は国家経済破綻への第一歩である。
人口減少と低い生産性の罠にかかって日本の経済成長は見込めない。その上、政府日銀の政策は危機的状況。我々個人は自分の資産を防衛するために、慎重に投資先を選ばねばならない。もし、財政、あるいは日銀が破綻して、市場の日本政府・日銀への信認が失墜したら物価や金利は上がるし、円は暴落する。もはや現金とて安全とは言えない。
日本は特殊だから大丈夫とする論調もあるが、バブルの時もそうだったけど、日本は特殊という正当化で大丈夫だったことはあまりない。
仮に、そういう危機が到来すれば、外貨建ての資産を保有することは有効なヘッジ手段となる。自分の資産を守るために、外貨投資を真剣に検討する時期に来ているのではなかろうか。ちなみに、外貨資産への分散投資の効果については、私の昔の論文だが、証券アナリストジャーナル92年12月号「債券における国際分散投資―為替ヘッジすべきか否か」(山岸秀彰 上條修共著)をご参照いただきたい。
さて、お陰様で、山岸農園も創業10年を迎えた。採算度外視で高品質のコーヒーを作ることに情熱を傾けたために、10年で黒字はたったの一度。コナで最高の品質と褒められると嬉しいが、昨年などは笑っちゃうくらいの大赤字だった。日本経済の状況を憂いている場合ではない。自分の事業を何とかするのが先決である。
実は、少し前に農地を買い足した。今後は、そこにウェットミルや干し棚などの精製設備を作り、コーヒーの精製にもこだわり、さらなる品質向上を図る計画である。
増設には資金が必要。投資家を募集したいところだ。そこで、ドル資産への投資をご検討の方には耳よりの情報。私たちと一緒に最高級品コーヒーを作るために投資しませんか。ここだけの話ですが、私どものコーヒーを日頃からご愛顧いただいているお客様の中で、今回、出資していただける方には特別に毎年2桁のリターンを保証します。
通常なら2桁の利回りの保証などは、決して口にしてはいけない。怪しすぎる。私も厳しい倫理規範が要求されるCFA(米国の公認ファイナンシャル・アナリスト)の端くれ、そんなことは百も承知。ましてや、うちの妻は弁護士。しかし、今回に限って大丈夫。お任せください。自信を持って2桁のリターンをお約束するのでご安心いただきたい。ただし、2桁の数字の左隣に横棒が一本付きます。つまり2桁のマイナス。私と一緒にスカッと損してくれる人いますか?ハハハ!
今週は年に一度のコーヒーの出荷。
生豆を日本へ空輸した。
麻袋に入れた約2.4トンの生豆をトラックで空港へ運び、箱に詰め、ハワイ州と連邦農務省の検査を受けて出荷した。
約19万杯分のコーヒーに相当する。
19万回お楽しみ下さい。
野生のニガウリを根こそぎ抜く
クローバーの種と葉
コナでは乾期が終わり、雨が降るようになった。このタイミングを狙って、今年はクローバーの種を撒いている。コーヒーの木の周りに野生のニガウリが生えているが、それを取り除き、そこにクローバーの種を撒く。
野生のニガウリは実が小さく食用にならない。もちろん、うちの家庭菜園には食用のニガウリも植えていて、夏はニガウリばかりを食べているが、食べられない野生種には、私は冷たいのだ。さらに、つる性で地面を這って領地を拡大するし、コーヒーの木に絡みついてくる。コーヒーの木はつる性の植物に絡まれるとストレスを感じているように見える。
一方、クローバーはマメ科の植物で、空気中の窒素を土壌に供給する。コーヒーは窒素食い(カフェインも窒素でできている)なので、大量の窒素を与える必要がある。クローバーは天然の肥料。もちろん、グランドカバーとして土壌流出防止、土壌の水分保持などの効果もある。
日本によくある白い花の咲くクローバーではなく、赤い花の咲く品種で、葉っぱも大きい。冬の乾期に芝や雑草は枯れるが、このクローバーは乾燥に強い。
クローバーの花言葉は幸運・約束・勤勉。世話ばっかり焼かせるうちのコーヒーの木もクローバーを見習ってほしいものだ。
コーヒーの収穫が終わった。10キロ入りの収穫用バスケットを腰にぶら下げての作業だし、100ポンド(45キロ)の麻袋を幾つも運ぶので、足腰への負担は大きい。毎年、収穫シーズンには脚や腰を痛める。一昨年は、連日プールで2時間歩いてリハビリをした。昨年は医療用のタイツや圧縮ソックスを履いて、足への鬱血を防ぎ予防に努めた。
今シーズンは、ピークの2か月間に3日間しか休めないほど忙しく、腰痛が激化した。左側のわき腹、腰、股関節とすべてが痛い。骨盤の周りの筋肉が左側だけガチガチ。左右のバランスが悪いと上手く歩けないし、収穫もままならない。毎晩ストレッチなどで体の手入れをすれば良いのは分ってはいるが、夕暮れまで働いて8時半には倒れ込むように布団に入るので、ついつい、さぼってしまう。腰をかがめると左足の先までビリビリっと痛みが走る。かがめないので、ズボンや靴下は座って履く。
若い頃に買ったトータルジムというトレーニング機器を押し入れの奥から出して、足を上、頭を下にしてぶら下がってみた。背中と腰のストレッチ。胸椎と腰椎が何ヵ所かボキッという。椎骨と椎骨の間が伸びて気持ち良い。毎日、朝昼晩とぶら下がり続けた。
ある夜、パーティーでかなり酔って、帰るなりぶら下ったら、ボキッと、これまで鳴ったことのない腰椎にすごい音がした。正確には分らないが腰椎の下から2つか3つ目だと思う。これで随分と痛みが消えた。腰を曲げても、足の先までのビリっというショックは来なくなった。立ったまま靴下が履けるようになった。
それでも、やはり痛い。スムーズに歩けるまでには程遠い。シーズン終盤は時間に余裕ができたので、鍼灸治療、マッサージに加え、プール歩行、トレッドミル、エリプティカルマシンでの有酸素運動、サウナ、ジャクジーなどを活用した。特に温冷水浴は効きそう。冷水から温水に入ると全身の毛細血管がシュワシュワと活性化される感覚が嬉しい。
色々試したものの、決定的な効果はない。鍼灸の先生はこの状態ではコーヒー摘みは無理だから他人に任せろと言うが、きれいな収穫が品質の決め手というのが信条。私が先頭になって収穫の手本を示さないと士気が落ちるし、品質にも影響が出る。摘み続けた。
どうにかこうにか収穫が終わり、待望のゴルフシーズン到来。しかし、痛くてゴルフができない。これは重大事。そもそも、ゴルフのハンデを0にしたいから会社を辞めたのだ。フロリダで若いプロたちと一緒に有名インストラクターの指導のもとゴルフの練習をしたら、オッサンの体はあっという間にボロボロになり、ハンデ0は諦めた。
もっとリラックスした環境でゴルフのできるハワイへ引っ越した。たまたま買った家にコーヒー畑が付いていた。コーヒーの世話をしているうちにのめり込んだ。ここ数年は収穫期は忙しくてゴルフが全くできない。Golf Channel Amtourの参加を取りやめた。全米のゴルフ愛好家とも競えない。Big Island AmateurもHawaii State Openも諦めた。せめて春から夏は思いっきりプレーしたいのに、腰痛でゴルフができなくては困る。
初心忘るべからず。ゴルフをするためにリタイアしたんだ。コーヒーのためではない。心を改めた。とにかくゴルフをしなきゃ。脚を引きずりながら、ゴルフ場に行ってみた。練習場で痛いのを我慢してクラブを振った。痛い!でも思ったより真直ぐ飛ぶ。楽しい。思い切って、9ホールをプレイしてみた。痛いけど、う~うれしい~!もう夢中。あっという間に9ホールを終えた。あれあれ??気が付くと痛くない。治った―!
一体、この体はどうなっているんだ。ゴルフ用にできているのかなあ?
でも、これなら来シーズンもコーヒーを摘めそう。
コーヒーの花が咲いた。思ったよりも少ない。今年はもっと一斉に咲くかと思ったが、なんだか、ばらばらと咲く。控えめなコナスノー。
蜜蜂が忙しそうに働く。不思議なことに気が付いた。今朝はほとんどが花粉収集の蜜蜂だらけ。後ろ足のわきに花粉玉を付けているので、花粉収集係とわかる。蜂蜜収集係は花粉玉を付けていない。例年は2割くらいが花粉収集係で、ほとんどが蜂蜜収集係だが、今朝は9割以上が花粉収集係。
花粉玉は花によって色が違う。コーヒー畑の花粉玉は白い。コーヒー畑に勝手に生えてくる野生のニガウリの花の花粉玉は黄色い。
花粉玉は巣内の幼虫の餌(ロイヤルゼリー)の原料。タンパク質豊富で体を大きくする栄養素が豊富。一方、十分成長した働き蜂は糖分が中心のハチミツを食べる。それをエネルギーに、ひたすら働き続ける。
花粉を集めているということは、女王が卵をたくさん産んで幼虫が増えているという事なのかなあ?
コーヒー畑の土が生きている。
コナは今が乾期。昨日は恵の雨。一日中降った。
農作業ができないので、家で納税のための2017年の決算処理。計算してみて驚いた。過去最大の大赤字。ガックリ。もう、活力ゼロ。
ところで、今朝、畑に出て雑草を抜いたら根の周りの土に菌糸がぎっしりと付いている。
一昨日まで、乾燥してカラカラでサラサラの土だったのに、雨が降ったら、一斉に菌糸が活動開始。凄い回復力。私と違って、土壌は活力満点。
昨年から使っている肥料(魚を炭化させたものにEM菌を培養したもの)が効いているのだろうか。
ドンドン肥えろ!
精製所にてParchmentの皮をむいて、サイズ分けして、比重で選別。
比重選別機は左側が少し高くなっていて、テーブルを振動させるたびに比重の重いもの(高品質)は左側に、軽いものが右側に行く仕組み。
精製所の方からは、今年も私どもの豆が群を抜いてコナで一番欠陥豆が少ないとお褒めの言葉をいただきました。
今日、ホルアロア方面に行ったらコーヒーの花が満開。畑が白い花でいっぱいになり、まるで雪化粧をしているように見えることから、これをコナではコナスノーと呼ぶ。
うちの畑はまだだが、昨夜、一か月半ぶりにまとまった雨が降ったので、来週にはコーヒーの花が満開に咲きそう。つぼみが膨らんでいる。今年のコナスノーは盛大になりそう。
ミレーの有名な絵画「落穂ひろい」。昔の欧州では聖書の律法に従い、穀物の刈入れ後に、刈り残したものは寡婦や孤児などの貧者が拾う権利を持っていた。一種の貧者救済策。不謹慎にも、この絵画を見たとき、その宗教的背景よりも、日本人の田植えの姿勢とは随分と違うなという呑気な印象を受けた。
西洋人は日本人に比べて骨盤が前傾している。「落穂ひろい」の女性たちのように、背中と長い脚を伸ばしたまま骨盤を90度ぐらい前屈させて地面に手を伸ばすことができる。脚が長く、骨盤が前傾して、腕が長い西洋人ならではの姿勢。骨盤が直立している日本人は腰で体を折れない。日本人の田植えはもっと膝を曲げて腰と背中を丸める姿勢となる。
コーヒー摘みでも、地面に近い低い枝の実を摘むときに白人系メキシコ人ピッカーは「落穂ひろい」と同じ姿勢になる。一方、日系人やインディオ系メキシコ人はしゃがんで摘む。腰痛に悩む私などは、常に膝当てを装着して、膝まづいて摘む。
コーヒー摘みに関しては、低い枝はしゃがんで摘んだ方が良い。コーヒーの実は枝の下側や葉の裏側にも隠れているので、しゃがんで下から見上げないと見逃しやすい。摘み残すと害虫の餌食になる。コナを含め世界中の産地でCBB(Coffee Berry Borer)という害虫が猛威を振るっている。その害虫対策の一つが、赤く完熟した実を摘み残さないこと。摘み残した実は発酵してCBBを引き付け、高い確率で虫食いになる。そして、翌年に害虫被害を繰り越す。だから、摘み残してはいけない。
落穂ひろいスタイルは上から見下ろすので摘み残しやすい。そこで、膝当てを買い与えて、私のようにしゃがんで下から見上げろとやらせてみた。しかし、正座の習慣のない彼らは長時間膝を折り曲げると痛いらしい。結局、落穂ひろいスタイルに戻ってしまう。
白人(メキシコ人。概してアメリカ人は日系人以外はコーヒー摘みなんて重労働はしない。)がコーヒーを摘むのは世界中の産地でコナぐらいだから、コナ特有の姿勢かも。でも、黒人の方がより骨盤の前傾が強いので、アフリカの産地はもっとすごそう。
仕方がないので、彼らが摘んだ後を、私が四つん這いで地面に這いつくばって、摘み残した実や地面に落ちた実を拾う羽目になる。うちの畑に新顔のピッカーが来ると、「あの地面を這っているチーノ(中国人・アジア人)は何者だ?」「彼がパトローネ(農園主)だよ」「えっ!なぜ農園主が?」などの会話が聞こえてくる。欧州の落穂ひろいは貧者の救済策だが、うちの農園では私の係だ。
彼らにも言い分がある。うちの農園の剪定は低すぎるという。コーヒーの木は収穫し易い高さに保つために、3年に一度、膝の高さに幹をばっさりと切る(カットバック)。切り株から新たな幹が生え、3年かけて新たな枝を伸ばす。もっと高い位置で剪定すれば、枝は全体に高くなる。背の高い彼らには良いが、寸詰まりの私は上の方の枝に届かない。背伸びして摘むくらいなら、しゃがんで摘んだ方が私は楽だ。
以前にも記したが、コーヒー栽培を始めたばかりの頃、白人系メキシコ人のF君に、剪定は膝の高さでと教わった。早速、教えに従い膝の高さで切った。翌日、F君が来てびっくりして曰く、「膝の高さで切れと言ったのに、低すぎ!」。私はすかさず、「だから、膝の高さでしょ」と膝をあてがって反論。すると、メキシコ人でもなるんだ、目がテンに。妻は大笑いして、「あなたの膝はF君のすね。F君の膝はあなたの腿」とほざいた。
今年も剪定の季節がやってきた。今年は誰の膝の高さで切ろうかな。