農園便り

コーヒーの木の剪定と枝木の粉砕

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コーヒー畑の半分を大胆に剪定した。

膝の高さに剪定することで樹勢が回復する。収穫量は減る分、コーヒーの質は向上する。また、木を低く保つと収穫作業も効率的に行なえる。

このエリアからの収穫は2年後なので、その間に地力を回復。これから剪定した枝木は粉砕して土壌に戻す。

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2019/02/05   yamagishicoffee

コーヒー畑のネズミ

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ピーター・ラビットの作者として有名なビアトリクス・ポター。イギリスの湖水地方の農園に住み、周囲の動物たちの物語を絵本にした。彼女の作品に「2匹の悪いネズミ」がある。トムサムとハンカマンカという夫婦のネズミが家主の留守に悪さをする物語。

我が家にもマウスがでた。マウスは体長10センチ位の小さな鼠。これが家中を走り回った。私はポターの様に鼠で物語を作るほど風流ではない。鼠捕りを仕掛けた。餌を取ると、パチンと針金が落ちて鼠が挟まれるタイプ。だが、奴の方が一枚上。餌のチーズだけを取って、全く引っかからない。

なかなか知恵深そうなので、ハンカマンカと名付け、知恵比べをすることになった。段ボールの壁をリビング中に立てて、ハンカマンカを誘導。冷蔵庫の裏に追い詰めた。冷蔵庫の周りに本や板で囲いを作った。見事な袋小路。袋の鼠とはまさにこのことだ。もう安心。昔の人の言葉は奥深い。そうやって格闘したからこそ生まれた言葉であろう。

だが、5分で脱出された。25センチはある本の壁をやすやすと飛び越えた。

今度はクローゼットの中に追い込んだ。ドアの下に隙間があるので、タオルを詰め込み密封した。後は持久戦で餓死を待つのみ。ところが2日後には脱出。元気よくリビングを走り回っていた。タオルは無残にも食いちぎられ見事な穴が開いていた。

最後にバスルームに追い込んだ。戸を閉めて、ほうきで叩きながら追いかけ回した。すると仕掛けてあった箱型の鼠捕りに自ら入った。1週間にわたるハンカマンカとの知恵比べはこうして幕を閉じた。始末の仕方が分からないので、放って置けば餓死するだろうと、箱を畑に置いた。翌日、見たら中身は空っぽ。出られない仕組みなのに、脱出するとは頭が良い。勝手な物で、知恵比べの相手がいなくなると寂しい。ところが、数日後にハンカマンカは帰ってきた。また知恵比べができると思うと、ちょっと嬉しくなった。

コーヒー畑にはラットが出る。ラットは体長30センチもある大型の鼠。コーヒーの実は食べるは、枝は折るはで厄介。マウスとは違って可愛くない。絶対駆除だ。

日本語では両方とも鼠だが、米国ではマウスとラットは明確に区別される。マウスはミッキーになれるがラットは無理。嫌われ者だ。オーランドで出会った青年は昼間はプロゴルファーを目指して練習、夜はディズニーワールドの地下でラットを退治して生計を立てていた。地上のミッキーマウスは人気者だが、地下では、日々ラットは退治される。

ラットは欧州人がハワイに持ち込んだ。19世紀には、ラット対策にマングースを持ち込んだものの、ラットは夜行性、マングースは昼行性。お互い会うことはなく大失敗。

ラットは1940年代に急速に増えた。コーヒー畑の被害が増え、ペスト病まで発生した。ラット退治が急務となった。そこで、小学生たちに捕獲させ、1匹につき2セント払う制度ができた。子供たちは、夕方パパイヤやベーコン等の餌を付けた罠をコーヒー畑に仕掛け、翌朝学校に行く前に捕りに行った。捕まえたらその尾を切り、灯油の入ったビンに保管し、週に一度、小学校で換金した。これで週に数セント稼ぐことができ、アイスクリームを1~2個買えた。今では80歳を超えた彼らは、週に30匹も捕まえ60セントも荒稼ぎしたなどと懐かしそうに武勇伝を語る。

私も籠式の鼠捕りをいくつか畑に置く。ここのラットはアメリカ人なので、餌はベーコン、チーズにピーナッツバター。これがよく食べる。ネットで人道的なラットの殺し方を調べたら溺死とある。ラットを籠ごと水に沈め、人道的な朝を迎えるのが私の日課だ。ビアトリクス・ポターのような優しい眼で鼠を観察できるようになるのはいつの事やら。

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2019/02/02   yamagishicoffee

コーヒー豆の精製

今日は今シーズンに収穫してパーチメント(堅皮付きの豆)の状態でエアコン付き倉庫に保管していた豆をまとめて全て精製した。その工程は以下の通り。

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まず、パーチメントを精製所へ持ち込む(トラック3往復)

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パーチメントを皮むき機に投入。

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パーチメントの皮が剥けて出てくる。これが生豆。

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サイズ分別機でサイズ分けする。(サイズ19・18・17・16・ピーベリーに分ける)

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比重テーブルで左側に比重の重いもの(良い豆)、右側に軽いもの(質が劣る)に分ける。

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等級ごとに袋詰めして持ち帰る(トラック2往復)。

エアコン付き倉庫で保管。

今回も、今年この精製所で精製したコーヒーの中で一番欠陥豆の率が低いとお褒めにあずかりました。

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2019/01/30   yamagishicoffee

収穫後の作業(採り残した実の除去)

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一週間かけて、まだ枝に残っているコーヒーの実を全て取り除いた。1,500ポンド(700キロ)以上になった。これは今シーズンの収穫量の1割に相当。もったいないけど翌シーズンに害虫が繰り越さないための大切な害虫対策。

今シーズンは、私が尊敬する近所の友人F氏が収穫を手伝ってくれた。彼は今回取り除いた緑の実を50キロくらい持って帰った。なんでも、リキュールに漬けて、実の中のエキス(カフェインやポリフェノールなど)を抽出するらしい。毎朝、うちのノニ畑で作ったノニジュースとそのコーヒー・エキスを飲むのが彼の健康法。それがあの驚くべき元気と体力の源で、おかげで彼には昼間でも金星はおろか土星まで見えるらしい。

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2019/01/19   yamagishicoffee

今シーズンの収穫終了

今シーズンの収穫が終わった。8月から8ラウンドかけて、16,200ポンド(7,300キロ)を摘んだ。大胆に剪定して枝の数を減らしたので、生産量は昨年の半分。

シーズン終了宣言の1分後からは翌シーズンがスタート。まだ、1,000ポンド以上は木に生っているが、緑のまま摘み取って廃棄する作業を開始。

最終ラウンドは2日間の収穫の前に5日間かけて虫食いの豆を摘み取った。これ以上、収穫を続けても害虫が増えるだけ。畑からすべての実(害虫の家)を取り除き、新シーズンに向けて、畑から害虫を一掃する。

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2019/01/14   yamagishicoffee

シーズン最初の開花

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少しだが、翌シーズン最初のコナコーヒーの花が咲いた。ハチの羽音が凄い。

明後日からは今シーズン最後の収穫。8月から始まった収穫も今回で8ラウンド目。

シーズン最後の収穫と翌シーズンの最初の開花が、偶然にもほぼ重なった。

最後の収穫前の準備として虫食い豆を除去する作業は5日かけて畑を一周して、一段落。

あさっての収穫に備えて明日は休憩。餅でも食おう。ピーナッツバターで食べるのがハワイ流。

 

 

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2019/01/09   yamagishicoffee

害虫襲来 ヤメテ―

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コナではエルニーニョの年は夏は雨が多く、冬は雨が少ないと言われる。確かに10月までこれでもかというくらい雨が降ったが、11月以降は、ほとんど降らなくなった。ハワイ大学はコナコーヒー農家に干ばつへの注意を促している。

ところが、1週間ほど前に久々にまとまった雨が降った。

雨が降るとCBB(Coffee Berry Borer)という害虫の活動が活発化する。乾燥中は実の中で待機していたのが、雨後、一斉に出てきて他の実に襲いかかった。

虫食い率が跳ね上がった。ヤメテ―っという感じ。隣の畑からもドンドン飛んでくる。

今週後半に今シーズン最後の収穫をするが、その前に、虫食い豆の除去。

半日でこんなに除去した。一日でこの倍。収穫開始まで、虫食い豆除去作業続く。

コナで一番虫食い率が低い畑の意地だ。

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2019/01/06   yamagishicoffee

コーヒー畑とニワトリ

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ビアトリクス・ポターの物語「あひるのジマイマのお話」。ジマイマは卵を産んでも飼い主に取られてしまう。義姉のレベッカからは「私は卵を抱える忍耐力はないね。あんたもないよ」と言われながらも、自分で卵を孵したいと願うあひるのジマイマ。

ピーターラビットが代表作のポター。英国の湖水地方の農場に住み、周りの動物たちの絵本の物語をいくつも残している。ハワイ島コナも湖水地方なみに田舎。うちの畑にもさまざまな動物がいる。鶏、七面鳥、フクロウ、野豚、ネズミ、マングースなど。近所で犬を飼っていないのはうちだけなので、動物が集まるのだろう。東京育ちの私にとっては、そういった動物に囲まれた農園生活は発見が多い。

うちの畑の鶏には2つのグループがある。一つは野生の家族。もう一つは道を挟んで隣の家が放し飼いしている鶏のグループ。

野生の鶏家族はすばしっこい。すぐに逃げる。痩せて足が速く、20m以内に近づくのは不可能。ロッキーでも捕まえられない。唯一近づけるのは雌がコーヒーの木の下でひとりで卵を抱えている場合。3週間も、ほとんど食べずに卵の上にじっと座り続ける。雨が降っても座っている。そばを通ると、こっちを見ながら警戒するが逃げたりはしない。

やがて、卵が孵る。12~3羽はいる。すぐに巣を離れ、ヒヨコを引き連れながら畑の中を行進する。しかし、畑にはマングースがいるし、空には鷹。毎週、行進するヒヨコの数が減っていき、大人になるのは1羽か2羽。野生の鶏の生活は楽ではない。

一方、お隣さんの鶏はたっぷりと餌を貰っているらしく、丸々と太っている。太りすぎで走れない。昼間はうちの畑に入ってきて、コーヒーの木の根元を掘り返して虫を食べる。コーヒーを摘んでいると、よちよちと足元に集まってくる。餌を与えるわけでもないのに、人を見ると、食べ物を貰えると思うらしい。

一日中纏わりつかれる。気にはならないが、がっかりすることが一つ。夕方、暗くなり始める前、もうひと頑張りとコーヒーを摘んでいると、「お疲れ様」とか「お先に」とかの挨拶もなく、「コココー」とか言いながら道を渡って隣の家に帰っていく。世代間の違いだろうか、一緒に残業して頑張ろうとかいう気持ちはないらしい。

ある日、コーヒーを摘んでいると、足元で、2羽が立て続けに「ココココココッ、コケー!ココココココッ、コケー!」とけたたましく鳴いた。よく見ると、コーヒーの木の下に2か所、卵が10数個ずつある。知らなかったが、この定番の鳴き声は雌鶏が卵を産んだ時の叫び声で万国共通だそうだ。

お隣の飼い主には内緒で、こんなところで姉妹で仲良く産んで、あひるのジマイマみたいに自分で卵を孵したいのか。それは、お疲れ様と思い、バナナの皮をやると、すぐに巣から立ち上がり食べにくる。卵を抱えた野生の雌鶏とは大違い。

よく見ると、頻繁に出歩く。ジマイマと同じで忍耐力がない。そんなに出歩いて卵は大丈夫かと心配していると、夕方、私がまだ摘んでいるのに、「コココー」と言いながら隣の家に帰って行った。おいおい、卵があっても帰るのか?夜はほったらかしかよ。

やっぱり卵は孵らなかった。知らなかったが、野生と違って、家禽は外で卵を孵せないんだ。安全快適で食糧豊富な家があるから、わざわざ外で敵に怯えながら3週間も飲まず食わずで卵を抱えたりしないんだ。「あひるのジマイマ」は当時の子供の読者もそれを知っていることを前提に書かれた物語なのかも。’Jemima Puddle-duck said that it was because of her nerves; but she had always been a bad sitter. ’(ジマイマは神経質になっていたからというけれど、実は卵を抱えるのが下手なんです)

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2019/01/03   yamagishicoffee

冬至の夕陽

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私の家は真西を向いている。家からコーヒー畑を見下ろすと、その先に広がる水平線に落ちる夕陽がきれい。春分と秋分の日には真正面に夕陽が落ちる。夕陽の位置は、夏には右に移動し、冬には左に移動する。常夏のハワイとはいえ、夕陽の位置で季節を感じる。

今日は冬至。夕陽は年で最も左に落ちた。

コナは経度155.59、緯度19.39。これに基づき計算すると、今日の夕陽は午後5時51分に正面(西)から約25度ほど左(南)に落たことになる。

夏至と冬至では約50度の開きがある。随分と大きい。季節を感じさせるわけだ。

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2018/12/23   yamagishicoffee

アマサギ(Cattle Egret)

コナコーヒー摘み、今シーズン7ラウンド目終了。
今日は休憩。
アマサギ(Cattle Egret)もコーヒーの木の上で休憩中。
ハワイでは、よく牛の背中に乗っている鳥。
 

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2018/12/20   yamagishicoffee