Mottainai-物を大切に
コーヒーの精製所にて。壊れても使う。
Mottainaiの精神がこんなところに引き継がれている。
「もったいない」はアメリカにそういう概念がないので、英語の訳語がない。日系人の島ハワイ島ではその概念が残っており、Mottainaiという言葉が使われる。
コーヒーの精製所にて。壊れても使う。
Mottainaiの精神がこんなところに引き継がれている。
「もったいない」はアメリカにそういう概念がないので、英語の訳語がない。日系人の島ハワイ島ではその概念が残っており、Mottainaiという言葉が使われる。
焙煎士をしている友人がコーヒーの花を摘みに来た。
コーヒーの花でお茶を作るらしい。
なんでも、彼女の友人はそれを本格的にやっていて、4月のSeattleでのSCAAのコンファレンスにコーヒーの花のお茶を出品するそうだ。(うちの畑の花ではありません。念のため。)
コナで一押しのコーヒーショップDaylight Mind Coffee。
日本へ行くたびにコーヒー豆を買ってきて、そこのスタッフとカッピングをする。
今回、買ってきたのはブルーマウンテンとコーピールアク。
これにコナを加えて3種類をカッピングした。
高額コーヒー番付の3役そろい踏みの贅沢な組み合わせ。
こうなると、もうコナが割安に感じる。
コーヒーもカカオも似たような気候で育つ。
カカオの実を割って、カカオ豆(種)を5個くらい口に放り込む。
種の周りに薄っすらと付いた果肉(白い部分)も一緒だ。
果肉は少ないので食用にはならないが、甘酸っぱくて、青りんごのような味がする。
口の中で種を舌でかき回しながら、種ごと果肉を豪快にしゃぶる。
しゃぶり尽くしたら、種を吐き出して、次の種と果肉をしゃぶる。
カカオやチョコレートの原料となるカカオ豆だが、惜しげもなく地面に吐き出す。
えっ、捨てるのは勿体ないって?
じゃあ、私が舐めまわしたカカオ豆で作ったチョコレートなんて食べたいですか???
コーヒーの精製(Hulling)とは:
9月から1月にかけて収穫したコーヒーの実をパーチメントの形で倉庫に保管してある。それを精製所(Dry mill)で生豆の状態にする。
1.前日、豆をトラックに積み精製所へ運ぶ。4往復(1時間x4)
2.パーチメントとその内側のシルバースキンをむく。
3.サイズ別に分類する。(サイズ19、18、17、16、16未満、ピーベリー)
4.サイズごとに、比重選別機械に載せて比重の低い欠陥豆を除去する。
5.100ポンドごとに麻袋に袋詰めしてミシンで縫う。
6.支払いをする。
7.トラックで持って帰る。3往復(1時間x3)
機械がやるので、1日で終わった。
近所の友人が庭で採れた豆を手でむいて指が傷だらけになったとFBにアップしていたが、うちの量を、もし手作業でやると、パーチメントとシルバースキンをむくのは、毎日やっても数ヵ月はかかる。パーチメントを買い物の紙袋に入れて、アスファルトの上に置き、車で何度もひいて、ある程度割ってから手でむく。指がつりそう。
サイズ分けは手で5種類のふるいにかける。1カ月はかかる。首がつりそう。
比重の軽いものを除去するのは、んん~、機械なしでは無理!
文明万歳!
今日は、倉庫に寝かせておいた一年分の収獲した豆を精製しました。
精製所の人からは、今年もコナの数ある農園の中でダントツで最も欠陥豆の率が低いとお褒めの言葉をいただきました。
褒められると調子に乗って、殺虫剤を使わずに害虫被害を抑える方法のレクチャーをしてきました。
昨日はカッピング。6時間の長丁場だった。
4月20~23日にシアトルでSCAAのExpoが行われる。
HCA(Hawaii Coffee Association)もブースを開き、ハワイ州産のコーヒーを展示する。
昨年までは各農園が希望すれば漏れなく展示されたが、今年からはSpecialty Gradeの豆だけを出展することとした。
ハワイ州のCoffee Q Grader(鑑定士)のうち私と妻も含め6人がボランティアで審査員を務め32種類のコーヒーをカッピングして合否を決めた。
結構ユニークなコーヒーもあったし、質の悪いものはあまりなかった印象。審査をするので、質に自信のあるものだけがエントリーされたのだろう。
コナ以外からもたくさんエントリーがあった。また、農園が直接エントリーするものより、商社がエントリーするケースが多かった。つまり、良い農園の豆はすでに商社が押さえているということか。
ちなみに、うちの農園は家族経営の零細農園。豆の在庫がないので出品しません。
やっとコーヒー収穫シーズンが終わった。9月からの辛い収穫シーズン中、つかの間の休息は、映画館でのメトロポリタン・オペラ中継の鑑賞。夕方までコーヒーを摘んで夜に映画館へ。スパム・ムスビ(ハワイ風おむすび)とポップコーンとコーラを買って、ぼりぼり食べながら映像を観る。リンカーンセンターの劇場とは違って気軽でよい。
今年はオペラに加えて、ボルショイのバレエの中継も映画館で観た。「くるみ割り人形」で新星男性バレリーナのデニス・ロドキンが登場。若くてイケメン。スタイル抜群で脚が長い。ジャンプ力も凄い。白いタイツのすらっとした長い脚を大きく開きグラン・ジュテ(大きな跳躍)するたびに宙でスローモーションに見える。隣の席の老婦人がため息混じりに、「毎日彼を見ていたい」。まったく美男は羨ましい。
白タイツなら私だって履いている。べつに白馬に跨っているわけではない。というか、想像するだけでお見苦しく読者諸氏には申し訳ないが、本当に履いているのだから仕方がない。しかも、短足の私は30センチ以上余るので2重履き。
長いコーヒー収穫シーズン中、毎日10kg入りのバスケットを10時間も腰に付けて収穫作業をするので、骨盤や股関節の周りの筋肉や腱ががちがちになる。特に股関節と足をつなぐ様々な腱から筋肉にかけての痛みがひどい。朝は腰が曲がったまま。真直ぐに腰を立てることができない。脚と腰が痛くて上手く歩けない。昨年は週1~2回の鍼治療が欠かせなかった。収穫シーズン終了後に毎日プールで歩いて、傷んだ足腰のリハビリをした。
友人のメキシコ人は収穫時期に毎晩ジョギングをする。体重100kgを優に超える彼が10時間以上摘んだ後、どこにそんな体力が残っているのか不思議だ。一日中立ちっぱなしで作業すると足がむくむ。走らないと翌日コーヒーが摘めないそうだ。
私にはそんな体力がない。ジョギングは無理。代わりに今年は白タイツを履いてみた。もちろん、フリルのシャツは着ないし、上から長ズボンを履くから、世間に景観上のご迷惑はかけない。べつに白でなくても良いが、入手した医療用加圧タイツが白だった。これがとても良い。医療用なのでとてもきつい。着脱に一苦労。しかし、それだけの価値はある。脚のみならず、体全体の疲労度が違う。1日2日では違いは分からないが、数ヵ月にも渡る収穫シーズンを通して着用すると、その差は歴然。前年までとは違い今年は足腰の損傷が軽くて済んだ。タイツはシーズン途中でボロボロになったので、ひざ下までのスポーツ用のレッグスリーブに変えた。これでも効果は十分。
コーヒー栽培を始めて9年。どうして今まで気が付かずに苦るしんだのだろう。よく考えてみれば、帝国陸軍の兵隊さんもゲートルを履いていたし(のらくろ二等兵は履いていなかったが)、助さん格さんも脚絆を履いて旅している。下肢を締め付けて、鬱血・疲労蓄積を防ぐのは昔からの当たり前の知恵だ。私は八甲田山を行軍したこともないし、ご隠居に従って全国を行脚したこともないので、そんな常識を持ち合わせていなかった。
さて、コーヒーの品質のためには、ピッカー(収穫の担い手)がきれいにコーヒーを摘む必要があるというのが私の持論。そして、一説では世界には3千万人ものピッカーがいるそうだ。数カ月にも渡る体力勝負の収穫作業のためには、いかに疲労を回避するかが鍵。ピッカーが疲労困憊していては良質のコーヒーはできない。
そこで、タイツだ。美味しいコーヒーの為に、世界3千万人のピッカー全員にタイツを履かせてみたい!ビッグビジネスの予感がする。グラン・ジュテ。