剪定(その1)
2月にコーヒーの木を剪定した。例年通り、畑の3分の1の木を膝の高さにカットバックした。それ以来3か月が経った。カットバックした株からは新たな幹となる新芽がたくさん出てきた。20~30本はあるだろうか。その中から、まずは、この時期に5~6本に絞り、それ以外はすべて摘み取る。そして、9月頃に最終的な3本を選ぶ。3本の幹を育てるのだ。
上の写真の一枚目は新芽の間引き前の写真で2枚目は間引き後の写真。
下の写真の3枚目・4枚目はより近くから見たもの。
4年前に苗木を植えて育てた際には幹は2本に制限したが、今は4歳で根もしっかりついてきたので、今回は3本に増やす。
3本の組み合わせを選ぶ際には、空間をなるべく広く使えるように選ぶ。力強く伸びた健康な新芽を選ぶのだが、必ずしもそれだけではない。どんなに力強く伸びてきても、2本が隣同士では同じ空間で競合してしまうのでよくない。株の外側に向かって伸びた芽を3本バランスよく配置するのが肝要。内側へ向かって伸びる幹は摘み取る。
空間把握能力が問われ、割と頭を使う。また、畑は斜面にあり、斜面の山側と海側では、山側に実が多い方が、地面が高いので収穫する際に手が届きやすくて楽になる。斜面の山側の空間と海側の空間では、私は個人的にどちらかというと、山側の空間をひいきにしている。
どの新芽も懸命に伸びようとしているのに、その中から限られたものだけを残し、あとは切り取るわけだから、こちらの責任も重大だ。彼らにとっては生死の境目となる意思決定の連続なので、どれにしようどれにしようと悩みながらの作業となる。
うちの畑には約3,300本の木があり、今年は約1,300本の木を剪定した。仮に一本の木あたり20本の芽を摘み取り、3本を残したとすると、約26,000本の幹を捨て、約3,900本の幹を選び取る勘定になる。
コーヒーの世界だって競争倍率が厳しいのだ。うちはゆとり教育は採用していません。