農園便り

2016年6月15日

剪定(その4)剪定バサミ

剪定作業に欠かせないのが剪定バサミだ。盆栽を楽しまれる方には常識だろうが、剪定する際には枝に斜めにハサミの刃を入れると切りやすい。斜めでなく、枝に対して垂直に切ろうとするとかなりの力を有するし、ハサミが壊れやすい。切れの悪いハサミだと、どうしても力任せに切って、枝の切り口が荒くなる。そこからばい菌が入りやすく樹が病気になる原因だ。また、ハサミにも余計な負担がかかり、壊れる原因だ。よく切れる良質のはさみだとサクッサクッ、パチッパチッと切れて、切り口もきれい。ハサミに負荷が掛からないし、手も楽だ。
 

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私は日本で買ってきた写真のはさみを使っている。最高級品で、山形の野村屋製製鋏所の「村久」だ。鍛冶屋の職人さんお手製の大変なすぐれものだ。もう、これなしではコーヒー栽培はできない。
 

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妻はこれ。岐阜の会社の「岡恒」。値段は安く、大量に生産しているので、日本では簡単に手に入る。こちらも素晴らしい。

コナの店で剪定バサミを買うと、米国製やメキシコ製などで、品質が悪い。ほんの数か月使っただけで、ハサミの刃が合わなくなる。枝が切れずに刃と刃の間に枝が挟まってしまったりする。すぐに錆びたり、鈍らにになり切れ味も落ちる。大体、私の手には無駄に大きすぎる。

 一方、日本製の品質は素晴らしい。切れ味が良く、長持ちする。コナの店でもたまに日本製が棚に並ぶことがあるが、日系人の農家の人々は日本製の品質が良いことをよく知っているので、すぐに売り切れてしまう。だから日本製が欲しければ、日本に行った際に買う。

山岸農園は日本の職人の技に支えられている。コーヒーを飲む際にはフィルターやサーバーやミルなどの製品ばかりに注目するのでなく、鍛冶屋さんにも思いを馳せてほしい。日本の職人さんに感謝だ。

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2016/06/15   yamagishicoffee