農園便り

2019年4月

ビジネスジャケット

12年ぶりにビジネス服を着た。
ハワイの正装はアロハシャツなのでスーツはいらない。

ネクタイをするのは12年ぶり。丸めて仕舞って置いたら、全部クシャクシャ。唯一、一度も使わずに箱に入ったままのハーミーズを発掘。

靴は20年ぶり。足に合わせて作ったもの。NYではワールドトレードセンターの地下を通って通勤していたが、WTCの地下の床は滑りやすくて、革底の靴だと滑って歩けない。ほとんど使わずにお蔵入りしていた。せっかく作ったものだから、いつか使おうと取ってあった。

ジャケットだけは新調した。10kg以上痩せたので、昔のジャケットは全部ブカブカ。渡米前の昭和末期に作ったスーツはサイズは合うのだが、肩パットが凄くて、一目でそれと判る時代物でボツ。

やっぱ、農作業服の方が似合うな。

 

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2019/04/25   yamagishicoffee

久々の開花

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うちのコナ・コーヒー畑は、今年は1・2月は割と咲いたけど、3・4月とあまり咲かなかった。久々の開花。2~3週間以内にもう一度くらい咲いて今年の開花の打ち止め。9月以降の今年の収穫は、途中が少なく、最初と最後のダブルピークになりそう。

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2019/04/24   yamagishicoffee

コーヒー畑のクモの巣

ひたすら、害虫(CBB)に喰われたコーヒーの実を手で取り除く作業を継続中。虫食いの実を見つけるにはコーヒーの木に顔を近づけて、全ての実を確認しなければならない。ところが、畑の中はクモの巣だらけ(Crab Spider)で、顔にクモとクモの巣がまとわり付いてうっとうしい。

だから、最初に棒を使って、クモの巣を取り除いてから作業を開始する。もうすぐ開花してミツバチが集まってくるので、ミツバチ保護も兼ねて。白いクモの糸に絡んでいる丸い物がCrab Spiderたち。

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2019/04/10   yamagishicoffee

害虫駆除

この時期、コナのコーヒー畑は草むしりと害虫駆除。1月に開花した分の実がフルサイズになってきた。すると、近所の畑から害虫(CBB)が飛んできて、コーヒーの実を襲う。だから、すべての実をチェックして、虫食いの実を取り除く。まだ、畑全体に実の数が少ないので、この時期は効率的にできる。

この害虫は5週間ごとに何十倍にも増える。ひたすら級数的に増えるので、増える前に駆除するのがうちの農園のやり方。集中力を要するので長時間はできないが、日々少しづつやる。写真は今日2人で3時間半かけて駆除したもの。3週間前にすべてを除去したのに、3週間で、こんなにたくさん飛んできた。もー!

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2019/04/07   yamagishicoffee

コーヒー栽培がんばる

私のゴルフ仲間Albert Watanabeさんは1936年生まれの日系3世。現役時代は高校のカウンセラー。カウンセラーとは生徒の悩みなどの相談を受け、正しく健全な道へと若者を導く仕事。人格者ならではの職業だ。

彼は仲間と週2回ゴルフをする。リタイアした日系人中心の30人ぐらいのグループ。中には90歳代の人もて、私は最年少。ほとんどがコーヒー農家出身だが、彼ら自身は教師、医師、大学教授、消防士、会社員などの職業を務めあげ、親から引き継いだコーヒー畑は小遣い程度に続けている。とにかく元気で、よく遊び、よく笑い、日本食を食べ、コナコーヒーを飲む。ハワイの日系人が全米で最長寿なのも納得できる。

Albertはゴルフが上手い。ドローとフェードを自在に打ち分け、ホールインワンやエイジシュートも何度も達成している。コーヒー栽培にも詳しく、私の師匠。私がコーヒー畑を買ったばかりの頃、肥料の撒き方を詳しく教わった。肥料は季節や雨量や実の成長具合により、最適な成分をタイミングよく施す必要があり、なかなか奥が深い。彼の経験と知識に基づくアドバイスは実に適切。しかし、本人はその通りに実践しているのか尋ねたところ、返ってきた答えが、「冗談じゃない。肥料なんて手間がかかるし、金もかかる。さらに困ったことに、肥料をやると秋に沢山の実が生るから、コーヒーを摘むのにもっと手間隙がかかって、ゴルフの時間が減る。人生はもっと楽しまなくちゃ。」 

感銘した。こういう考え方をしたことがなかった。子供のころから与えられた課題は一所懸命にこなすのが正しい生き方だと教わってきた。その点、学校の授業は落ちこぼれだったが、その分、クラブ活動は全力で頑張った。受験勉強もそれなりにこなし、就職後は立派な企業戦士だ。才能に欠ける分、努力で補った。振り返れば、一所懸命に働いた。今ならブラックもいいとこ。気が付けば、リタイアしても、その勢いでコーヒー栽培。

日本の農業もしかり。亜熱帯原産の稲を無理やり日本に持ち込み、品種改良を重ね、手間隙をかけて育ててきたのが日本の歴史だ。野菜だってビニールハウス。なかには温室でマンゴーやパパイヤまで作っている奇特な方までいる。なんとストレスの多い農業か。

コナではマンゴーやパパイヤなんて道端にいくらでも落ちている。コナコーヒーだって放っておいても勝手に生えてくる。最適の場所で最適の作物を栽培しているだけだ。私はさらに品質を上げようと、肥料や堆肥やミネラルやバイオ炭や微生物やらを投入し、またもや一所懸命だが、期待したほどの効果が上がらないことも多い。Albertのような手抜きの方が、かえって土壌と微生物とコーヒーの木のバランスが取れるのかもしれない。

Albertらゴルフの仲間たちからは、「最近ゴルフに出てこないね」と言われる。コーヒー畑が忙しくてと、日々の工夫を得意になって自慢すると、そんなに一番になりたいのと笑われる。でも、高校時代のクラブ活動のノリのまんまサラリーマン生活を送ったから、そういう教育を受けた世代だから、なかなか変えられない。しかして、ゴルフのハンデは増えるばかり。なんのためリタイアしたんだ?

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2019/04/02   yamagishicoffee