普段は月に一度しかこのブログは更新しないのですが、高校時代のテニス部のダブルスのパートナーから、私が普段どうやってコーヒーを飲んでいるかを、ここで紹介しろとのリクエストが来たので、番外編を書きます。かつては、毎日毎日、一緒に何キロも走り、泥んこになりながら、腕立てや腹筋を100回以上やった仲ですから、これくらいのリクエストにはお答えします。
一般的に、美味しく淹れるコツは正しい分量を正しい温度で淹れることだそうです。
フレンチプレス
率直に申し上げて、私はコーヒー農家であって、コーヒーの焙煎や淹れ方は全くの素人です。だから、素人でも間違いなく淹れられる方法を使います。それはフレンチプレス(写真左)です。紅茶を淹れる時によく使う器具です。淹れる直前に30gの豆を荒めに挽きます。挽いた豆にフッフッと息を吹きかけて、挽いた豆に混ざっているシルバースキンを吹き飛ばした後、これをフレンチプレスの容器に入れて、上から沸騰したお湯500ccを冷めないうちにゴボゴボと注ぎます。注ぐ前に、容器は温めておきます。4分後に、上からふたを下に押し込み、すぐに全てのコーヒーをカップに注ぎます。マグカップ2杯分です。
シルバースキンは雑味の原因となるので、フレンチプレスに関わらず、どの淹れ方の場合にも、常に吹き飛ばしたほうがよいと思います。シルバースキンとは生豆の周りを覆っている薄い皮で、農家が精製する際にほとんどを取り除くようにします。僅かに残ったものも、焙煎業者が焙煎する際に、ほとんどが焼かれ落ちて、取り除かれます。ただし、焙煎後でも、コーヒー豆の真ん中の縦の割れ目の中に、僅かに残っています。これが、豆を挽いた際に出てきます。だから、挽いた豆に息を吹きかけて飛ばします。ヒラヒラと飛び散ります。
さて、淹れたコーヒーは熱いと味が良く分からないので、ちびちびと飲み、冷めてからの味も確かめます。音を立ててすすって、空気とコーヒーを混ぜて口の中に入れると味が分かりやすくなります。アメリカでは食事中にズルズルと音を立ててすするのはマナー違反なので、ワインのテイスティングの際には上品にほとんど音がしないようにすすります。しかし、コーヒーのカッピング競技では審査員たちは、江戸っ子が蕎麦をすする時の3倍ぐらいの音を立ててすすります。一度、タブーを破ると、歯止めが利かないのか。渋谷ハチ公前でカッピング競技をやったら、審査員がすする度に、騒音表示のパネルの数値が跳ね上がることでしょう。ところで、今でも、あの表示盤はあるのかなあ?
フレンチプレスの特徴は
1)温度が常に一定で、簡単なので当たり外れがない。
2)豆の全ての香味がでるので、その豆の実力を知るのによい。
3)紙や布のフィルターを通していないので、豆の粉が底に残り、舌にザラザラとした感じが残る欠点がある。容器の底に溜まったものはカップには注がないようにする。
ペーパーフィルター
フレンチプレスは全ての味を出しますが、フィルターで淹れると上澄みだけの、いいとこ取りができると言われています。私もペーパーフィルター(写真中央)で淹れることもあります。ところが、下手なので、毎回味が違ってしまいます。20秒蒸らした後に、チョロチョロと熱湯を注いでいくわけですが、私がやると、温度が一定にならないので、当たり外れがあります。
お湯を注ぐとブクブクと泡が浮いてきますが、あくのもとなので、これがろ過されないように注意します。お湯を注ぐ場所を、真ん中に集中させて泡が端へ静かに押し出されるようにします。のの字にお湯をかけて、せっかく端へ押し出された泡をわざわざ潰すのはいけません。こんなことを注意しながら、フィルターの中のお湯の温度が常に95度に保たれるようにするには、かなりコツがいります。漫画タッチの浅倉南のお父さんみたいな人がやれば、美味しいコーヒーができるはずです。上杉達也の淹れたコーヒーは飲みたくありません。南ちゃんのだったら、不味くても飲みたいけど。
コーヒーメーカー
パーティーでは大量に淹れるので、コーヒーメーカー(写真右)を使います。機械が全部自動でやるので、技量が問われず、安定して淹れる事ができる長所があります。しかし、機械だと、お湯の温度が90度以上にならないので、最適な味とはならないそうです。非最適な味を安定的に作ることになります。不味くはないので、それはそれで良いと思います。
家庭用のエスプレッソ器(Moka Pot)を使ったこともありますが、空焚きして、あっという間に壊しました。捨てたので写真なし。
色々書きましたが、コーヒーなんて、所詮、嗜好品ですから、自分の好きな淹れ方で好きな様に飲むことが肝要です。好みの問題ですから、各々が満足していれば、それでいいのです。