農園便り

2019年02月

コーヒーの新芽

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このところの雨で若い葉の芽が出て来た。このブロンド色がティピカ種の特徴。

12月と1月はとても乾燥していたので、枝葉の成長はほとんど止まった。木は代わりに花のつぼみを付けて開花に備えていた。

2月に雨が降ると、まず花が咲いた。そして気温が上がってくると新芽も出て来た。

あと2カ月くらいは、まだまだ花も咲き続ける。

夏に向かって枝葉はどんどん伸びる。

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2019/02/27   yamagishicoffee

今年2度目の開花

コーヒーの花が咲いた。

でも、期待していたほどは一斉には咲かなかった。

だから、コナスノーというほど豪華な開花にあらず。

来週・再来週もバラバラと咲きそう。

それはそれで構わないけど。

でも、なぜだろう、隣りの畑はもっと一斉に咲いているのに。

まあ、いいか。

 

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2019/02/17   yamagishicoffee

コーヒーの出荷

今週は年に一度のコーヒーの出荷。

生豆を日本へ空輸した。

麻袋に入れた約2500ポンドの生豆をトラックで空港へ運び、箱に詰め、ハワイ州と連邦農務省の検査を受けて出荷した。

約10万杯分のコーヒーに相当する。

10万回お楽しみ下さい。

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2019/02/15   yamagishicoffee

もうすぐコナ・コーヒーの開花

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雨も降り、つぼみも大きくなってきた。

養蜂家の友人から蜂を借りた。

ハチはつぼみをこじ開けようとする。

今年一番大きな開花の準備完了。

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2019/02/14   yamagishicoffee

雑誌「珈琲と文化」の原稿

雑誌「珈琲と文化」2019年1月号に拙稿が掲載されたので、転載します。女性ピッカーと男性ピッカの違いについてです。ご笑覧ください。

 

2018年のコナは正月からコーヒーの花が咲き、5月まで数週間おきにバラバラと開花が続いた。収穫は8月に始まり、7周した。年明けにもう1周して終了。あと一息だ。

収穫時にはひとつの枝に緑の実(未熟)と赤い実(完熟)とが混在する。その中から赤い実だけを摘む。ひとつひとつ手で摘む作業はかなりの注意を要する。3週間で農園を一周して元の木に戻る。一周に4週間以上かかると、完熟を通り過ぎて、腐敗したり、カビがはえたりする。逆に急ぎすぎると、摘み方が雑になる。緑の実が混入すると渋みがでる。また、完熟実を枝に摘み残すと、腐敗・カビの問題が起きるし、CBB(Coffee Berry Borer)という害虫の餌食になって、害虫の被害が広がる。実を地面に落とすのも害虫が広がる原因なので不可。丁寧な収穫が肝要。

うちの畑では、収穫バスケットに小さなジップロックの袋を取付け、望ましくない実はそこへ入れる。つまり、一つの木を摘む際は、バスケットの中には完熟実だけが入り、誤って摘んだ緑の未熟実や木の上で乾燥してしまった過熟実、カビの生えた実、不健康な実はジップロックへ入り、摘み終わった木には完熟実や過熟実は取り残されていなく、地面には実は落ちていない(落とした実は拾う)、というのが正しい収穫方法だ。

雨期と乾季の区別がはっきりした地域では、一斉に開花し、収穫も短期間に集中する。果実の熟度が揃うので収穫は比較的簡単。ブラジルのような例では、かなり熟度が揃うので機械収獲が可能となる。

コナの場合は収穫時期が4~5カ月に渡る。ピーク時でも完熟実の割合は3割以下なので、機械収獲は無理。注意深く手作業で完熟実のみを摘まなければならない。

 

International Trade Centreは世界全体のコーヒー収穫の担い手の7割ぐらいが女性だと推測している。持久力と忍耐力が勝負の仕事なので、コーヒー摘みは女性で、収穫以外の力仕事は男性という役割分担があるのかもしれない。

私の周りにも、コーヒー摘みが好きな女性が多い。うちの妻もコーヒー摘みが好きで、無心に摘んでいると心が落ち着くそうだ。そもそも、彼女に気持ちよくコーヒーを摘んでもらい、我が家の平和を維持するために、私はリタイア後のゴルフ三昧の生活を諦めて、コーヒー栽培をしているようなものだ。

友人にもコーヒー摘みが好きな女性がいて、よく手伝ってもらう。しかも賃金はいらないから、その分、旦那と弟をゴルフに連れて行ってくれという。だから、収穫シーズンが終わると旦那と弟をゴルフに接待する。彼らはコーヒー摘みに興味がないどころか、自宅のコーヒーは全部引っこ抜いて、これでゴルフに専念できると嘯いている。

私の経験から、概して女性の方が男性よりも収穫が上手い。女性の方が速くきれいに摘む。周りの先輩農家に尋ねても、誰もが女性のピッカーの方が上手いと同意する。

たぶんコナでコーヒー摘みが一番速い中米出身の人がいて、ピッカーの間では有名人。どうしたらそんなに速く摘めるのかを尋ねたら、コーヒーの一粒一粒をお金と思え、と答えが返ってきた。彼は収穫時期には相当稼ぐ。ところが、ある年、母国から彼のお姉さんが来た。そしたら、彼よりさらに速くて、随分と話題になった。

うちの妻も、かなり早くきれいに摘む。メキシコ人のグループを雇って、朝から一緒に摘み始めると、うちの妻が一番最初にバスケットが一杯になって、袋に詰め替える。「うあー、あのムチャチャ(お嬢さん)速い!」と言いながら、大男たちが「Vamos! Vamos!(頑張ろう)」と掛け声をかけあう。

スピードもさることながら、丁寧さに関しては、女性の方が断じて上。男性のピッカーに丁寧に摘んでくれと頼んでも、”OK, Boss”と愛想は良いが、多く摘めばそれだけ儲かるので、速くたくさん摘もうとして雑になる人が多い。

なぜ、女性の方が上手いのかは不思議だ。女性の方が単純作業を丁寧にこなすのが得意なのかもしれない。指が細いので、狙った実を正確に摘めるからかもしれない。指が太いと何個もいっぺんに摘んでしまう。なかなか納得のいく決定的な理由は思い浮かばない。

 

以前観たNHKの番組によると、赤い色を見分ける能力は女性の方が高いそうだ。人は色を赤、緑、青の3原色で認識している。そのうちの赤に関し、男性は朱色を最も鮮やかに認識する遺伝子を持った人(A)と深紅を最も鮮やかに認識する遺伝子を持った人(B)に分かれる。男性はその片方の遺伝子しかもてない。一方、女性はこの遺伝子を2つ持つ。つまり、可能な組み合わせは、AA(朱色のみ)、AB・BA(朱色と深紅の両方)、BB(深紅のみ)で、50%の女性がABかBAとなり、AとBの両方を持つ。彼女らは、朱色、深紅、緑、青の4つの色の組み合わせで色を認識している。つまり、男性よりカラフルな世界に住んでいて、特に赤に関する識別能力が高い。残りの半数の女性(AAとBBの人)は男性と同じ能力しかないが、成長する過程で、他の女性の影響を受け、後天的に色に関して敏感になるそうだ。

そういえば、赤と緑を識別できない色覚異常は圧倒的に男性に多い。色覚異常の友人に摘んでもらったことがあるが、上手く摘めなかった。また、多くの国や文化で、赤い服を着るのは女性。デパートの化粧品売り場に並ぶ口紅は、どれも似たような色だが、女性には一本一本違った色に見えるという、にわかには信じがたい噂まで存在する。

そのNHK番組では、なぜ女性がそのような能力を進化の過程で獲得したかは明らかにしなかった。よく、女性が色に敏感なのは、赤ちゃんの肌の色から健康状態を推し量るのに有利だからという説を見かけるが、本当かなあ。人類の故郷アフリカでは、人の肌は黒い。昔、ケニアの田舎のコーヒー産地の村で、地元の人々とバーでビールを飲んだ時、私だけが顔が赤くなるので、面白がられた。彼らは目つきに出るが、顔は赤くならない。

ある日コーヒー摘みをしていたら、その女性の能力についての大胆な新説を思いついた。私の説では、何百万年もの間、コーヒー摘みは女性の仕事だった。人類もコーヒーも発祥の地は東アフリカ。女性とコーヒーは一緒に進化してきたのだ。だから、こんなつらい仕事は女房に任せておけばよい。さっさと遊びに行こう。

いや、これは飛躍しすぎた。それはコーヒーではないかもしれない。しかし、太古、果物を摘むのは主に女性の仕事だったはず。彼女らは、この実は食べ頃、まだ早い、腐りかけているかを瞬時に識別しなければならない。生死に関わる問題だ。これにより、赤い果物の色の微かな違いを適切に認識する能力を獲得するに至ったというのが私の説だ。この能力をコーヒー摘みに応用すれば、摘みごろの完熟実のみを摘むことは、彼女らには造作もないに違いない。

一方、女性が完熟実を摘む能力を何百万年もかけて磨いていた間、男性はマンモスを追いかけていた。朝から集団で出かけ、手に棒を持って草原を駆け回り、獲物を捕らえ、夕方集落に戻ってくるという生活を繰り返してきた。腕っぷしは強く発達したが、赤を識別する能力は発達しなかった。コーヒー摘みが苦手なわけだ。

しかも、男性軍のご先祖様はやり過ぎた。マンモスが全滅するまで、狩りを止められなかった。いや、全滅してもやめられない。数百万年も続けてきた男の習性だ。

やがて、絶滅したマンモスの空白を、文明の利器が埋めた。マンモスの代わりに、直径4センチ強の硬いボールを考え出した。手に持つ棒は14本に増え、バッグに入れて背負えるようになった。そしてやはり4人一組の集団で、朝から夕方まで野原でボールを棒で引っ叩きながら追いかけまわすようになった。器用に池や砂地を避けながら。

だから今日も女房殿がコーヒー摘みをしているのに、私は近所の農園主の男達とマンモス狩りゴルフに出かけるのだ。もうこれは誰にも止められない。なんたって、DNAに組み込まれている。ウッホー ウホウホ ウッホッホー。

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2019/02/09   yamagishicoffee

コーヒーの木の剪定と枝木の粉砕

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コーヒー畑の半分を大胆に剪定した。

膝の高さに剪定することで樹勢が回復する。収穫量は減る分、コーヒーの質は向上する。また、木を低く保つと収穫作業も効率的に行なえる。

このエリアからの収穫は2年後なので、その間に地力を回復。これから剪定した枝木は粉砕して土壌に戻す。

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2019/02/05   yamagishicoffee

コーヒー畑のネズミ

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ピーター・ラビットの作者として有名なビアトリクス・ポター。イギリスの湖水地方の農園に住み、周囲の動物たちの物語を絵本にした。彼女の作品に「2匹の悪いネズミ」がある。トムサムとハンカマンカという夫婦のネズミが家主の留守に悪さをする物語。

我が家にもマウスがでた。マウスは体長10センチ位の小さな鼠。これが家中を走り回った。私はポターの様に鼠で物語を作るほど風流ではない。鼠捕りを仕掛けた。餌を取ると、パチンと針金が落ちて鼠が挟まれるタイプ。だが、奴の方が一枚上。餌のチーズだけを取って、全く引っかからない。

なかなか知恵深そうなので、ハンカマンカと名付け、知恵比べをすることになった。段ボールの壁をリビング中に立てて、ハンカマンカを誘導。冷蔵庫の裏に追い詰めた。冷蔵庫の周りに本や板で囲いを作った。見事な袋小路。袋の鼠とはまさにこのことだ。もう安心。昔の人の言葉は奥深い。そうやって格闘したからこそ生まれた言葉であろう。

だが、5分で脱出された。25センチはある本の壁をやすやすと飛び越えた。

今度はクローゼットの中に追い込んだ。ドアの下に隙間があるので、タオルを詰め込み密封した。後は持久戦で餓死を待つのみ。ところが2日後には脱出。元気よくリビングを走り回っていた。タオルは無残にも食いちぎられ見事な穴が開いていた。

最後にバスルームに追い込んだ。戸を閉めて、ほうきで叩きながら追いかけ回した。すると仕掛けてあった箱型の鼠捕りに自ら入った。1週間にわたるハンカマンカとの知恵比べはこうして幕を閉じた。始末の仕方が分からないので、放って置けば餓死するだろうと、箱を畑に置いた。翌日、見たら中身は空っぽ。出られない仕組みなのに、脱出するとは頭が良い。勝手な物で、知恵比べの相手がいなくなると寂しい。ところが、数日後にハンカマンカは帰ってきた。また知恵比べができると思うと、ちょっと嬉しくなった。

コーヒー畑にはラットが出る。ラットは体長30センチもある大型の鼠。コーヒーの実は食べるは、枝は折るはで厄介。マウスとは違って可愛くない。絶対駆除だ。

日本語では両方とも鼠だが、米国ではマウスとラットは明確に区別される。マウスはミッキーになれるがラットは無理。嫌われ者だ。オーランドで出会った青年は昼間はプロゴルファーを目指して練習、夜はディズニーワールドの地下でラットを退治して生計を立てていた。地上のミッキーマウスは人気者だが、地下では、日々ラットは退治される。

ラットは欧州人がハワイに持ち込んだ。19世紀には、ラット対策にマングースを持ち込んだものの、ラットは夜行性、マングースは昼行性。お互い会うことはなく大失敗。

ラットは1940年代に急速に増えた。コーヒー畑の被害が増え、ペスト病まで発生した。ラット退治が急務となった。そこで、小学生たちに捕獲させ、1匹につき2セント払う制度ができた。子供たちは、夕方パパイヤやベーコン等の餌を付けた罠をコーヒー畑に仕掛け、翌朝学校に行く前に捕りに行った。捕まえたらその尾を切り、灯油の入ったビンに保管し、週に一度、小学校で換金した。これで週に数セント稼ぐことができ、アイスクリームを1~2個買えた。今では80歳を超えた彼らは、週に30匹も捕まえ60セントも荒稼ぎしたなどと懐かしそうに武勇伝を語る。

私も籠式の鼠捕りをいくつか畑に置く。ここのラットはアメリカ人なので、餌はベーコン、チーズにピーナッツバター。これがよく食べる。ネットで人道的なラットの殺し方を調べたら溺死とある。ラットを籠ごと水に沈め、人道的な朝を迎えるのが私の日課だ。ビアトリクス・ポターのような優しい眼で鼠を観察できるようになるのはいつの事やら。

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2019/02/02   yamagishicoffee